京葉線ファミリーである稲毛海岸が、素晴らしい観光地域に生まれ変わります!

 

千葉市は、今回も民間の知恵と資本を活用するPFI方式により、過剰な設備投資や債務負担を負うことなく稲毛海浜公園を生まれ変わらせようとしています。

稲毛海浜公園はどのように生まれ変わるのか?

今回のリニューアル改修が行われる場所はこちらです。

(出所: 以下全て千葉市)

新浦安から電車でほんの20分程度の場所に以下のような一大ビーチリゾートが誕生します。浦安市も間違いなく沿線価値向上、不動産価値の向上の恩恵は受けることでしょう。

コンセプト:「INAGE SUNSET BEACH PARK」

〜人間の五感を通して、社会に必要な知識や体験を「気づき」として提案できる公園〜

主な民間事業者からの提案事業

  • 砂浜改修(白浜ビーチ化)
  • 海へ延びるウッドデッキ
  • グランピング
  • 宿泊施設(稲毛記念館のリノベーション)
  • 温浴施設
  • 大人も楽しめるプール(リゾート感が感じられるものへ改修)

これまで千葉の湾岸地域にはなかった新しい魅力を持つ施設が誕生します。

こんな素晴らしい施設の近くにお住いの方々は、なんとも羨ましい限りですね。(でも、やっぱり浦安が好きですが・・)

千葉市の上手な官民連携PFIの活用から学べること

今回のリニューアルプロジェクトにおいて、千葉市の行政手腕として評価できる点は、官民連携で民間の知恵とそして資金を引っ張って来ている点です。

例えば浦安市議会で議論となっている音楽ホールは、一言で言えば「官民連携/PPP」ではありますが、30年に渡って巨額の施設管理のための費用を浦安市が負担し続ける指定管理スキームです。

これは高金利で浦安市が民間からお金を借りて、事業運営していることと同義となり、これらの巨額の費用負担は全て税金での負担となります。

これらの検証を引き継がなければならなかった内田市長も大変だったのだろうなあと感じますし、『「廃止+代替施設」と比較して継続する方が安い』というロジック(新規の代替施設建設+維持費より既存の維持費のみの方が安いに決まっているので)にしなければならなかったのは、水面下での様々な大変な調整があられた証左ではないかと推察しています。

一方で千葉市の稲毛海浜公園のリニューアルは、事業者が提案した事業、すなわちグランピングや宿泊、温浴施設などは全て事業者が資金を出し、管理費も事業者が出すスキームです。その代わりに事業者は、その事業からの収入も全て享受可能でとしています。

つまり、事業リスクを全て民間に託し、千葉市はリスクフリーで今回の稲毛海浜公園の大幅リニューアルという素晴らしい果実を手に入れたわけです。

さらに、千葉市は資金負担がゼロどころか、底地の賃料まで入ってくるというプラスのファイナンスです。

このように書くと、事業者に不利ではないか?と思われるかもしれませんが、魅力ある土地で事業ができるのであれば民間はついてきます。その証拠に、この稲毛海浜公園の案件には以下のような沢山の民間企業が申し込みをしました。

 

浦安市はこれまで基本的には、官民連携という言葉は使っても、単なる委託スキームの域を超えることができませんでした。事業リスクを全て浦安市がテイクしていました。

しかし、都市の成長が鈍化しこれからは衰退を防止していかなければならないと内田市長も仰っている中での浦安市の継続的な成長や魅力向上のためには、行政による自前主義ではすぐに限界が来てしまうのではないでしょうか。

大企業でも今や自前主義での限界を悟り、20代、30代の若手社長(ただし、頭は天才)と、自らのプライドを捨てて対等に会話をし、一緒にオープンイノベーションを推進する体制にシフトしています。フェイスブックの社長がわざと大企業相手に寝坊して寝巻きで面談に言った逸話は有名です。

この「オープンイノベーション」を行政が行う場合のソリューションの一つが「官民連携PFI」の活用です。福岡市のようにシリコンバレーにシェアオフィスを構えてしまう自治体もあります。(これがうまくいっているかどうかは別として・・)

「PFIによるファイナンス」というと言葉は難しいですが、スキームの検討からプロセスのコントロールまで、外資系の会計コンサル、例えばデロイトやPwC、E&Yなどに委託をすれば、隅から隅まで全て裏仕事はやってくれます。

(千葉市の募集要項も出来が良いので、おそらくコンサルに委託して、頭を使うところや実務は民間コンサルに任せているのではないかと思います)

まずは小さなところから、浦安市内でもファイナンスまで含めた真のPFIを実施してみるのはいかがでしょうか。

例えば、三番瀬の環境施設もこのスキームを使えば、数億円の建設費を浦安市=市民が税金で負担することなく、民間から素晴らしい施設提案と、それを作るための資金が出てくるかもしれません。

もしくは総合公園の芝生広場の一区画を、改正公園法を使って民間提案の集客施設建設も出来るかもしれません。

PFIという手法は税金以外の行政の有力なファイナンス手法です。全く魅力のない地域であれば民間事業者はついてきませんが、これだけホテルができた浦安であれば、間違いなく多くの提案が殺到することでしょう。

ぜひ内田市長が年内発表に向けてご検討されている次世代浦安市のあり方検討において、PFIを使うことによってこれまでは実現不可能であった大きな花火を打ち上げて頂き、新しい浦安の地域活性化のシンボルを創造して頂けたらと願っています。