昨今にわかに浦安において水面下での活動が活発化しているのが、新たな埋立による土地造成計画です。
きっかけはリニア建設によるトンネル掘削後の残土処理です。
公開されている情報としては、川崎市の埋立がほぼ固まっています。
川崎市はリニア中央新幹線整備に伴う建設発生土を川崎港・東扇島の堀込部埋め立て事業で受け入れ、事業費200億円をJR東海が負担する内容で合意しました。
埋め立て用の土の安定確保と資金調達にめどが付いたことから、川崎市は本度内に埋め立て免許を取得した上で2018年度から工事着手を目指しています。
JR東海の情報によれば、全国各地の自治体から残土を我が土地へ!という要望がかなりの数舞い込んできているようです。
川崎市が早期に確定したのは、土を運ぶための線路がすぐそばまで来ており、輸送コストが安いことが挙げられます。
JR東海としてはリニアの完成を遅らせるわけには行かないため、とりあえず残土処理の場所は社内的には一旦決めたとのことです。
しかしながら、この手の話は巨大な政治的な力で往々にして変更が加わるものです。
今回はリニア残土による浦安埋立の可能性について、検証してみたいと思います。
Executive Summary
埋立するならどこなのか?
まずそもそも埋立するような場所、できる場所はあるのでしょうか?
この手の話は必ず反対する方はいらっしゃるのは当たり前ですが、もし本当に埋立するのであれば、この部分になるのではないかと予想します。
出所:グーグルマップを筆者加工
いまオリエンタルランド社はこの付近の土地を飛び地でも買い始めています。今後のディズニーリゾートの拡張の為に土地は喉から手が出るほど欲しいはずです。
需要と採算は十分にあるわけで、三番瀬ほど反対運動も強くないと思われます。
水深もこの部分は浅く、波の引きが弱く浦安唯一のビーチができる場所です。
本当に土が持ってこられて、住民の合意形成ができればあり得る話かもしれません。
本当に土は持ってこれるのか?
仮に地元合意ができたとして、次に本当にリニア残土を持って来られるのか?という話が出て来ます。
凄まじい数のトラックが川崎から浦安に土を運んで来なければなりません。
その際問題になるのは、実はその運搬費用だけではなさそうです。国道357号線はすでに許容量がいっぱいになりつつあります。
さらに大型のダンプが湾岸地域の橋を多数通ると、橋への劣化ダメージが何十倍も大きく、また、渋滞がひどくなります。
そのため、警察及び国土交通省もそのような運搬計画にはネガティブであるとの話もあります。
そうなると、オリンピックで湾岸線が交通の大動脈になることに加え、この浦安埋立計画を実現するには、新たな交通網の整備が不可欠になります。
すなわち第二湾岸道路計画の推進です。
埋立計画案と第二湾岸道路計画はセット
従って、埋立計画を本当に実現するならば、第二湾岸道路もセットで考えなければならないことになります。
その場合、以下のようなルートになるのではないでしょうか。
そもそも当初の東京ゲートブリッジは第二湾岸計画案の一部でしたが、それがグイッと曲げられて新木場に向かった経緯があります。
出所:グーグルマップを筆者加工
とはいえ、これまた大きなお金がかかる話です。
そう簡単には話は進まないでしょう。普通にアプローチしてもまず実現は無理だと思います。
しかしながら、オリンピックという起爆剤、そしてリニア残土は必ず発生するという事実から、この話を推進する方々に対して強力な政治的サポートが起これば、本当に動く可能性があります。
果たして2020年以降の浦安は、どんな絵姿になっているのでしょうか。