海浜幕張の開発加速化

幕張のイオンモールの前に京葉線の新駅を作る構想が着々と進んでいます。まずはその新駅構想について見ます。



幕張の開発の加速は浦安側としては様々な意味で気になってウォッチしています。

海浜幕張の北西には、6棟で4,000戸のタワマンも造られることが発表され、販売活動が行われています。

 

千葉市と都内を結ぶ船便の実験運航も行われ、千葉みなとには素晴らしいシーポートがPFIで設置されました。

このままでは浦安はまわりから置いていかれるという危機感を感じるほどの千葉市の躍進です。それは千葉市の18年度予算を見ても、攻めに投じる予算の額からも見て取れます。

今回の幕張新駅の設置はその周辺地域の人の流れを大きく変え、資産価値や地域の価値にも大きなプラス効果をもたらす可能性があります。民間であるイオンも大きな割合を担う事に合意し、実現に向かって一気に物事が動いています。

新しい線路ができる場合は騒音の問題もついてきますが、今回の京葉線に新駅ができるというのは単に駅のみの増築なので京葉線の利便性があがるのみです。




京葉線の新駅計画

駅が増えると、その駅の周りのみならず、路線全体にも影響をもたらします。

例えば、JR東海の東海道新幹線、品川駅がなぜつくられたのかを考えます。品川付近の地価は上昇、開発も加速化されたわけですが、何より新幹線の鉄道運行においても大きな意味がありました。

①東京駅でイレギュラー等があっても品川折り返しで新幹線の定時運行を維持可能

②ダイヤの増発

があげられます。

朝6時発ののぞみが、品川駅からも発車することになり、事実上の増発が可能となりました。

では今回の京葉線の新駅について考えてみます。

JR京葉線新習志野-海浜幕張駅間に新駅をつくる検討を進めている「幕張新都心拡大地区新駅設置調査会」はJR東日本に依頼していた新駅設置に関する基本調査の結果を発表しています。

概算事業費は新駅の約130億円と併設される自由通路の約50億円で計約180億円と試算。概算工期は新駅が約6年、自由通路は約7年で、すぐに建設を決めたとしても、残念ながら東京五輪・パラリンピックまでの設置は実現できない。新駅は新習志野駅と海浜幕張駅のほぼ中間地点に位置する。線路南の海側に駅舎を設置し、上り線が高架で下り線が地上という現在の構造に合わせて、下りホームを1階に、上りホームを2階にそれぞれ整備する特殊な構造である。

新駅に関する事業費約130億円の内訳は、工事費約104億円、設計費約9億円、事務・管理費約6億円、ICカードのシステム改修などの費用約10億円。概算工期については、駅舎とホームの設計・事業認可などに約2年半を要し、工事は京葉線が運行していない深夜での作業となるため約3年半かかるとした。自由通路も約2年半は設計などに費やされ、工事には4年半かかる見通し。

出所:日経新聞

新駅予定地はイオンモール幕張新都心店の目の前に位置します。このイオンモールができてから、特に週末を中心に付近では大渋滞が起きています。

最寄りの鉄道駅は海浜幕張駅であり、徒歩にはかなり距離があります。いま二連結バスで輸送を行っているわけですが、渋滞もあり、利便性が高いとは言えない状況です。

そうなると益々自家用車で来訪する人が増える為に悪循環となります。

新駅が目の前にできれば電車で来ようというお客さんが増え、幕張地区の渋滞の解消には大きく寄与する事でしょう。

一方で、本件には気になる点もあります。路線ダイヤです。特急の通過待ちができる二面四線のホームであれば、新幹線品川駅と同じくプラス効果になりますが、単に線路にホームが併設されるだけとなると、特急を止めるか、本数を減らさないといけません。このあたりはどのように考えているのかは気になるところです。

新駅の開設と共に通勤快速の廃止や朝の特許廃止が検討されるかもしれません。たしかに朝の時間は全ての電車を各停にする事で混雑緩和効果が見込まれます。

オリンピックやディズニー新パークの開業という需要増、そして何より千葉市の発展による沿線住民増が明確に見えているため、JR東日本もいよいよ本腰を入れたというところでしょう。




そして、浦安に視点を移して考えると、新浦安からの混雑は年々高まっている点に留意が必要です。この解決には本数を増やすしかなく、それを行うには線路容量を増やす取り組み、例えば複々線化の議論が必要です。

 

幕張が発展し、多くの大規模マンションが出来上がると、京葉線の海浜幕張からの乗客が増え、新浦安では人が乗れないという事態もあり得ます。

新浦安から先は概ね複々線用の土地は確保してあります。また、上野東京ラインのように新幹線線路の上に営業を続けながら線路を作る建築技術もすでに実現しています。

今は京葉線=りんかい線直通の話は良く耳にしますが、線路容量が増えないのに、りんかい線からも電車が入ってきてしまうと、現行に比べ東京行きの電車の間引きがおこり、東京行きの混雑が上がると言ったことも考えられます。複々線化と一緒に議論することが必要ではないかと思います。

沿線の近隣自治体とも連携しながら、最適な解が見つかることを願っています。