先日オリエンタルランド社が公式にディズニーパークを大幅に拡張することを改めて公言しました。

第3のパーク案ではなくなりましたが、むしろディズニーランドおよびディズニーシーのチケットでそのまま楽しめる訳ですから、総アテンダンスで言えばむしろ第3のパークを作る場合よりも増えるものと推察します。

そうなるとやはり気になるのが舞浜駅の混雑対策です。いま浦安市さんでもオリエンタルランドさんとJRさんと連携してこの問題解決に取り組まれようとしていますが、今取るべきソリューションの本質について、改めて考察をしてみました。

 

いま検討されているホーム改良の方向性についてのおさらい

現在、浦安市においても舞浜駅の混雑対策の検討のための予算が組まれ、本格的に検討が進められています。

(日経新聞記事より抜粋)まず検討を始めるのはホーム延伸だ。市によると、延伸調査はJR東が担う。3000万円の調査費は市とオリエンタルランドを加えた3者で分担し18年度中に結果をまとめる。JR東は「延伸の必要性や可否は調査結果によって決める」と説明している。舞浜駅は上りと下りの各列車がホームを挟む形で止まる構造になっており、ホームドアも設置されていない。乗降客数は1日平均約15万6000人(16年度)で、山手線の原宿駅より多い。特に通退勤時間帯に乗降客でホームが大混雑し、かねて利用者や市議会などから安全対策の必要性が指摘されていた。

以上のとおり、現在検討されている方向性としては

・ホームの延伸と停車位置のズラし

・ホームドアの設置

の2点に集約されます。

つまり、検討の主眼が現在は舞浜駅のホーム上の混雑にフォーカスされているということになります。

233系、209系、205系が混在する京葉線舞浜駅の為、ホームドアは難航とも言われていました。しかし、関西の近鉄線ではあらゆる車両に対応可能な以下のようなロープ型ホームドアが運用開始されました。

舞浜駅にも有効なインフラかもしれません。

実はそんなに難しくないホーム上の混雑対策

JR東さんからの北朝霞駅の事例を元にこのような方針が検討されているということですが、実はホーム上の転落防止方法は実はそんなに難しくありません。

都内の大規模駅ではすでに常時そのようなホームのパンクが起きており、即座に駅員さんが安全確保できるようにプロシージャが確立されています。

一旦以下のようにホームが満杯になりそうになると、駅員さんが出動します。

駅員さんは即座にホーム行きのエスカレーターを停止します。

さらに階段にもスタンションをはり、ホームへの流入を止めます。

そしてホームに空間ができたことを確認したのちに、安全な人数のみをホームに流すということを繰り返します。

このようにする事で鉄道の安全は守られています。

しかしながら、ここで犠牲になるのは、お客さんの時間です。ホームがクリアになるまで、コンコースでの待ち時間が発生します。

舞浜駅混雑対策の本質について考える

舞浜駅の安全は以上の方法で守ることができます。投資はゼロ円でも安全対策は可能です。

もちろんホームドアがつくことが最善であることはいうまでもありませんが、まだ技術的な課題があります。

しかし、本質的なボトルネックがなにかを考えると答えは自明で、やはり車両側の輸送人数=運行本数を増やすことが必要です。そうしなければ長々とお客さんをホーム下で待たせることになります。

そうなると先日の議会で浦安市さんからも答弁された「京葉線の複々線化は必要と浦安市は考えている」という議論が不可欠です。

複々線化は鉄道事業者が決めることですので、一義的には自治体にはどうすることもできません。しかしながら、オリンピックやラグビーワールドカップという起爆剤も控えており、今この議論をしなければ一生実現しないかもしれません。

幕張新駅案が事業化することが決まったニュースを見て、改めて新木場〜市川塩浜の複々線化案を実現できる可能性を高めて行くことができるかもしれないと感じる今日この頃です。

千葉市はうまくイオン、JRを巻き込んで新駅設置にこぎつけました。この官民連携の話を纏めたのはなかなかの手腕だと思います。

浦安が、JR、りんかい線(東京都)、オリエンタルランド、イオン、順天堂大学、千葉県、千葉市あたりの受益者の意向を取りまとめして、この複々線化プロジェクトをもし実現できたとしたら、その功績は幕張新駅の比ではない、後世に名を残す偉業となることでしょう。