新聞等でも最近話題になっていますが、舞浜駅およびその周辺の改良計画がオリンピックとディズニースカイ(仮)をきっかけに検討が一気に進みつつあります。
今回はその舞浜改良計画の内容と今後について、考察してみることにしました。
浦安市としてもその一部の予算を拠出し、官民出資での舞浜駅改良計画の検討が始まります。
まずはその内容がまとまっている新聞記事をレビューします。
以下、日経新聞からの抜粋です。
東京ディズニーリゾートの最寄り駅のJR京葉線舞浜駅で、混雑緩和や利便性向上へ官民が動き出す。市とJR東日本、TDRを運営するオリエンタルランドは2018年度、駅ホームを延伸する調査に着手。市は住宅街側の駅北口開発に向けた調査も始める。今後見込まれるTDRの拡張に伴う乗客増も見据え、駅機能を強化する。
まず検討を始めるのはホーム延伸だ。市によると、延伸調査はJR東が担う。3000万円の調査費は市とオリエンタルランドを加えた3者で分担し18年度中に結果をまとめる。JR東は「延伸の必要性や可否は調査結果によって決める」と説明している。
舞浜駅は上りと下りの各列車がホームを挟む形で止まる構造になっており、ホームドアも設置されていない。乗降客数は1日平均約15万6000人(16年度)で、山手線の原宿駅より多い。特に通退勤時間帯に乗降客でホームが大混雑し、かねて利用者や市議会などから安全対策の必要性が指摘されていた。
JR東は舞浜駅で大型エレベーターの導入のほか、ホーム上にあった自販機や売店の削減で順次、混雑緩和策を講じてきた。併せて県と市、オリエンタルランドとともに安全対策について協議を進めている。
JR東管内では武蔵野線の北朝霞駅(埼玉県朝霞市)で14年、周辺開発に伴う乗降客の増加を受けてホームを拡張。上下の列車の停止位置をずらすことで混雑緩和を図った。舞浜駅もこうした他駅の事例を参考に実現可能性を検討する。
観光客と地元住民の双方の利便性向上へ、住宅街側の北口とTDR側の南口の整備も同時に進める。南口では18年度中に路線バスとTDR周辺ホテル専用バスの乗り場を分け、観光客に分かりやすいロータリーに変える。東日本大震災後の復旧工事中に暫定的に設けたタクシープールにホテル客用のバス乗り場を移す計画。浦安市は18年度予算案に6000万円の工事費を盛り込んだ。一方、北口では民間の地権者が保有する駅前の遊休地などの開発構想が浮上している。駅前ではスーパーやドラッグストアなど日用品がそろう商業施設が乏しいため、店舗誘致を視野に入れる。現在の路線バス乗り場は観光客と地元客が混在しているため、北口へのロータリー新設なども想定している。
市は将来的な北口の駅前開発を目指し、18年度から開発イメージを検討するための調査を始める。駅の南北の機能の違いを明確にすることで「アーバンリゾートの玄関口や地区住民の生活拠点としての機能向上を図る」(内田悦嗣市長)狙いだ。
出所:日経新聞
このように舞浜駅を中心とした駅および駅周辺の改良工事が進められます。
今回のようなJR、オリエンタルランド、浦安市の連携で舞浜改良のための取り組みが行われたのは、今回が初めてではありません。故にその実効性は高いことが予想されます。
ディズニーシー開業の時にも、同じような駅改良および高速のジャンクションの新設工事が行われました。
舞浜ジャンクションの新設にあたって、ディズニーシー開業による渋滞を緩和するため、オリエンタルランドが建設費用のうち、27億円を浦安市に寄付しました。
そして、その資金を使い、浦安市が舞浜インターチェンジを建設しました。そのため、今もこのインターチェンジの道は浦安市の市道であり、浦安市が首都高を通じて道路の管理を行う形態となっています。
このような過去の成功事例があるので、今回の検討は基本的には実現する方向性であろうと考えられます。
それでは具体的に何が実現して、どんなことが起こり得るのかを考察してみたいと思います。
概ね実行されるであろう改良内容
まず、安全に関する内容については、最優先事項でしょう。従って舞浜駅ホームの改良はなんらかの形で実現するはずです。
ホームの安全を守るにはホームドアが最適ですが、10両の京葉線と8両の武蔵野線が混在するため、ホームドア設置にはなんらかの工夫が必要かと思われます。最近漸く形になった山手線のホームドア導入にこれだけ時間がかかったのも、昔のドア数が多い車両の引退を待って、全車両のドア位置が揃うのを待っていたからでした。
そうなるとホームドア以外でホームの安全確保のためにできることは何になるでしょうか。
ホーム延伸によって上り下りの位置をずらすことは北朝霞駅の事例に倣い、一つの選択肢です。しかしこれでもなお真ん中部分は上り線と下り線の乗降客が重なる為、ディズニー新パークが完成した際の需要増に耐えられるかは不透明です。より効果的な解決策が必要という話になるかもしれません。
複々線化、舞浜駅の二面四線化のような話はまだ議論にも上がっていないと思いますので、もう少しお金のかからない方法でいうと、荒技ですがダイヤをいじって武蔵野線を舞浜通過にして、ホームドアを設置することも検討されるかもしれません。もしくは関西で検討が進む多様な車両に対応できる新型のホームドア設置が検討されるかもしれません。
もっとお金のかからない方法でいうと、混在時間帯はエスカレーターを降り運用のみとし、ホームに登るには階段のみにするという方法があります。エスカレーターは止まれませんが、階段であればホームがパンクしていれば即ホームへの入場規制がかけられます。
ホーム改良案についてはどの程度になるのかは、引き続き関心が高まるところであり、今後の調査結果が気になるところです。
次に実現しそうな点は、ホテルの増加に伴うシャトルバス対応を含めたロータリー等の建設です。
新浦安もホテルラッシュですが、舞浜にもホテルがいくつか新設されます。
舞浜駅北口は、南口とは真逆の雰囲気です。
ここにユーラシアや近隣のホテル送迎バスが停車するため、道路がスタックしてしまうこともしばしあり、地域の課題の一つにもなっています。
以前より陳情も多かったこの場所ですが、漸く改善案が検討されることになりました。北口道路の整備については、それなりの高い確率で実現するような気がします。
そしてもう一つ実現するのは、357の立体化と、それに伴う歩道橋設置です。ここは工事が始まってますので、必ず実現するでしょう。
この工事に伴い、357の歩道橋案が検討されてます。現状では自転車と歩行者の錯綜で危険という地域の課題があり、これが国の予算で歩道橋が新設され、解決されようとしています。
オリンピックはたった2週間ですが、そのために多額のインフラ投資が行われます。これが良いことなのか、無駄金なのかという議論は残りますが、局所的な地域のことだけを見ると、物事が一気に動き出すきっかけになります。
実現するかは分からないが実現して欲しいこと
次に実現するかは不透明ですが、実現して欲しいことについて考えます。
まず、上記の通り北口の改良は行われる方向だと思います。これが道路幅の拡幅のみならずロータリー化のような話まで進めば、小規模なコンビニ等の店舗が設置される可能性は考えられます。ただし、周辺人口は戸建てが多く需要はそこまで強くは無いと考えられるため、越えるべきハードルは残るでしょう。
そしてかなりハードルは高いですが夢のプランとしては、京葉線の複々線化が挙げられます。これにより舞浜駅も駅下のスペースが生まれ、アトレ舞浜(仮)のようなものが建設されるかもしれません。ディズニー利用者も取り込める商業施設であれば、採算は十分に取れるでしょう。
とはいえ複々線化となると、巨額の費用と年月を要します。
よって少しハードルが低い案(それでも十分ハードルは高いですが)としては、舞浜駅の二面四線化があります。
これにより通過待ちができる駅が増え、特急や通勤快速を廃止しなくても運行本数を増やすことができます。
特急や通勤快速の廃止の議論は度々出ていましたが、浦安以東の地域との調整が相当に難航し、なかなか難しいと思われます。
まとめ
いずれにしても、なんらかの形で舞浜駅周辺は更に進化することとなり、舞浜地区のブランド力も向上することでしょう。
高い確率で実現することも多数あり、舞浜駅の今後のポテンシャルに期待が高まるところです。