バスロケ導入にみる浦安市内交通の課題

先日、浦安市にもバスロケーションシステム(バスロケ)が導入されました。

こうしてみるとなかなかカッコいい近未来のバス停になりました。

しかしながら、そもそもなぜバスロケが必要なのかといえば、バスが渋滞で遅れて来ないからです。

今回はバスの渋滞問題とそれを解決する方法について考えたいと思います。




浦安はコンパクトでとても便利な街のように見えるが、実際は課題も残っています。これからの日本社会、各都市の持続性はコンパクト&ネットワークの都市形成が鍵となります。

例えば浦安駅近辺に住む方々が総合公園や将来スターツショッピングセンターに行こうと思ってもバスを乗り継がないと行けないし、時間もかかります。渋滞もあり得ます。

逆も然りで、新浦安の方々が市場にお魚を買いに行くのも大変です。

浦安に住んでいる方が新浦安駅を、新浦安に住んでいる人が浦安駅から通勤したいという人も沢山いるでしょう。

浦安を南北に結ぶ交通渋滞のない鉄道を作ることができれば最高ですが、費用がかかります。

浦安への新交通バス導入

そこで提唱したいのはバス・ラピッド・トランジット、通称BRTの設置です。

二連結バスをBRTと呼んでいる自治体もありますがそれは違います。それは単に輸送量が上がっているだけで、本当のBRTは渋滞を回避して、早く目的地に到着するバスのシステムを作ることを目的とした新しい交通インフラです。

日本では東北の旧鉄道路線を専用道路にして運航されるBRTが有名です。愛知にも専用軌道のバスがありますね。

海外ではさらに発達しており、例えばボストンでは空港から市内まで専用トンネルを通って信号なしで市内まで運んでくれます。空港から市内に出る時にトンネルを爆走する様子は圧巻でした。

真のBRTはバス専用レーンだけでなく、バス停は同時に複数が客扱い可能なハイレベルなプラットホームが整備され、追い越しレーンもあり急行系統が追い抜いたり停車中のバスを抜かして発車できる構造です。

また建設費も以下の通り他の交通モードに比べて安く建設できます。

・BRT:5,000万〜15億円/km
・トラム:10億円〜25億円/km
・ライトレール:15億〜40億円/km
・都市交通:25億〜60億円/km
・高架鉄道:50億〜100億円/km
・地下鉄:50億〜320億円/km

出展: 国土交通省HPより

そしてBRTについて面白い動画を見つけました。英語ですいません。

この動画で面白いと思ったところは以下のようなコメントです。

  • 社会が進化する中で、安全や教育、社会保障は全て進化するが、1つだけ悪化するものがある。それがトランスポーテーションである
  • BRTはコストは格段に安く、建設期間も短いが、輸送量はトラムや鉄道にもひけをとらない
  • 早期に建設できるため、市長の任期中に実現できるプロジェクトである。これができる市長は、優れたリーダーシップを示せる
  • 実際、BRTの導入に成功した市長は引き続き市民の信頼を得てリーダーであり続けている
  • 例え、車を持っていてもBRTが便利なら人はBRTを使う。これは自然環境にとっても素晴らしいことだ

子育てや教育の向上などは、上記の動画でも言われている通りお金がある自治体や発展している街だからこそできることです。




国や県など、所管する関係各所との調整を行い、本格的なBRTが浦安に導入できれば、日本の都市部では初めての革新的な道路交通システムの展開事例となります。

かつて、浦安市でもBRTとLRTの検討がなされ、立派な報告書が出ています。

BRTであれば黒字かつ初期投資も50億程度という試算が公表されています。(出展:国土交通省及び浦安市)

(出所:浦安市)

浦安市のかつての報告書では総合公園〜浦安で20分が14分に、となっていますが、その効果はもっと大きいと思います。

今は遅いから使われない、ということで浦安〜総合公園の直通のバス本数は少ない現状です。

乗り継ぎになると相当な時間がかかります。よって報告書以上の時間削減効果はあると思われるますし、速達性が増すと利用者は大幅に増えるため、ダイヤの多頻度が可能になります。

よって新町南端に住む人が浦安駅からの通勤も当たり前にできるようになります。

さらに、かつての報告書では道路の外側に優先ではないレーンの配置になっていましたが、内側に優先レーンを配備して島式のホームが作れれば上空空間の架橋にて乗客のスタンバイは可能ではないでしょうか。

バスの乗り降りの支払い時間も鉄道と同じく、駅でのスイカを使った改札にすれば、スムーズな乗降が可能です。

現状の浦安の土地ではここまでやることは、柳通りの道路幅が少し足りなそうです。

元町エリアでは道路拡幅の土地の余裕がないので、専用レーンは上空空間をつかわなけばならないかもしれません。

そうなるとまずできることは総合公園地区〜新浦安駅を経由し、浦安駅までをつなぐ快速ラピッドバスを検討頂くことが現実的かもしれません。

東京を中心とした放射状鉄道網の整備の歴史がにほんにはあり、南北の交通利便性には各自治体が頭を悩ませています。

浦安からまずはその解決に取り組んでみてはいかがでしょうか。