本日の報道で、第二湾岸道路計画が再始動する意向を国が示したことが発表されました!これは浦安にとって凄まじくインパクトのあるニュースです。
これは浦安の利便性を凄まじく高める効果があり、都市の価値も著しく上昇することになるでしょう。
まず本日の報道を見てみましょう。
Executive Summary
第二湾岸道路の再始動が発表!
以下2019/1/18の朝日新聞報道より。
東京と千葉を結ぶ第二東京湾岸道路の建設計画について、石井啓一国土交通相は17日、建設へ向けた検討会を設置する方針を示した。建設ルート上にあった東京湾最奥部にある干潟「三番瀬」の埋め立て計画が白紙撤回され、宙に浮いたままとなっていた計画が18年ぶりに動き出す。
「第二湾岸を中心とした湾岸地区道路の検討会を設置して検討を加速したい」
この日、省内で建設計画の具体化を要望した森田健作知事に対し、石井国交相はこう答えた。今後、具体的なルートや工法について検討が始まる。千葉県内では、東関東自動車道や京葉道路で交通渋滞が慢性化しており、県は渋滞解消や地域の活性化のため、新たな道路網の整備を要請していた。
第二東京湾岸道路は、東関東道の南側に並行するように東京湾岸を巡る自動車専用道路。沼田武知事時代に構想が練られ、1994年、国が第二湾岸を地域高規格道路の候補路線として指定。整備に向けた具体的な検討が始まった。
第二湾岸は、千葉県市川市と同県船橋市の沖に広がり、渡り鳥の中継地とされる三番瀬を埋め立てて通るルートが候補に挙がっていた。ところが2001年、三番瀬の埋め立て計画の白紙撤回を公約した堂本暁子知事が当選すると、埋め立て計画を中止。これと同時に、第二湾岸の建設計画が宙に浮いた状態となった。
一方、県は国への重点要望として、第二湾岸の整備を求めてきており、今回、18年ぶりに検討再開に至った。森田知事は「第二東京湾岸道路を軸とした道路ネットワークは渋滞解消につながる。人と物の流れがスムーズになる」と話し、地域経済の活性化につながると期待を寄せた。
県は今後、県内の関係首長に理解を求めたり、整備に向けた委員会を設置したりすることを検討する。
(出所:朝日新聞)
第二湾岸道路とは
第二湾岸道路計画とは、首都高湾岸線を含む現在の湾岸道路の交通容量が不足することが予見されるため、それに並行して海側にもう1本道路を整備する道路計画を指します。
東海JCT(大井埠頭)から、千葉港までより臨海部を高規格道路で結ぶ計画です。すでに共用している東京ゲートブリッジも、元々はこの第二湾岸道路の一部となる予定でした。
第二東京湾岸道路計画図
国土交通省においても上記の通り、明確に計画は存在している道路となりますが、三番瀬の環境保全の観点等々からまだ具体的な事業化は行われておりません。
最新の行政の方針
千葉県の県議会でも第二湾岸の必要性を訴える議員の声が多数あります。
今年度に発表された千葉県の「道路整備プログラム」にも、第二湾岸道路については、以下の通り重要な計画として定義されています。
※1 重要路線であり、順次、計画の具体化、着手が必要な路線。
オリンピックの開催、そして海浜幕張を中心とした湾岸部のさらなる開発促進を背景に、行政としては計画の事業化を進めたいと考えていると思われます。
今回の報道を受け、千葉市の熊谷市長も早速声明を出しています。
内田市長も自民党として、当然賛成されることと思います。
第二湾岸道路の根幹部分である地域を抑える浦安市や千葉市と事前のすり合わせをすることもなく、森田健作知事がマスコミまで入れて、国土交通大臣と面談をするわけはないように思います。(推測ですが)
全て下ネゴは完了した上での、今回の大臣=知事の面談だったのではないでしょうか。
「いま初めて知った」ということにしておかないといけない何か大人の事情があったのかもしれません。
結局のところ整備されるのか?
国も県も基本的に進めたいと考えている計画ですし、実際に湾岸道路と首都高のキャパシティを考えても必要性のある道路であることは間違いないでしょう。
実現に向けた障壁は主に3つあります。
課題1) 建設予算の確保
課題2) 周辺住民の理解
課題3) 三番瀬環境保全問題
これらの3つがクリアされれば、どこかのタイミングで一気に話が進む可能性はあり得るでしょう。
まず1点目ですが、計画では高速道路、すなわち有料道路として建設される予定であることを踏まえると、一定程度は利用者負担とすることができます。
加えて、マレーシアの災害対策スマートトンネルのような機能(洪水や高潮時に貯水槽の機能を持つ)で三番瀬の地下をくぐらせることができれば、防災予算をつけることもできるかもしれません。
今年、新天皇になられる皇太子さまもマレーシアのスマートトンネルは現地視察にまで行かれています。
2点目の地域住民の理解についてですが、357のような地表を大型トラックがバンバン走るような状況が想定される場合には、周辺住民から大反対が起こるでしょう。
そのため、第二湾岸道路は地下方式となる可能性が高いものと推察されます。
そして三番瀬については環境影響が軽微な地下20〜30メートルをシールド工法で掘り進められるのではないかと思われます。
地下方式であればコストはかかりますが、環境保全の問題もクリアできます。かつ、シールド工法であれば、かつてほどの巨額費用はかからない技術革新がすでに実現しています。
いきなりの首都高との連結は難しいと思われる為、舞浜を入り口として、地下トンネルのまま船橋市高瀬までをつなぐようなルートになるのかもしれません。
勝手な推定ですが、このような地下有料道路になるかもしれません。
しかしながら、アクアラインで1キロあたり1000億円という巨額費用がかかったことも事実です。
よりコストが安く、工期の短い橋梁方式が取られる可能性も検討されることでしょう。
その場合、三番瀬の自然が・・という話は当然出てくることになります。
しかしながら、例えば、より自然の豊かな沖縄県での橋梁建設の事例において、橋梁建設がどれほどの影響を生態系に与えたのかという実際のデータが多数あります。
例えば、以下の宮古島での橋建設の事例を見てください。
(出所:沖縄県)
橋を建設する前には様々なネガティブな想定が懸念されていましたが、実際には何も影響がなく、調査を継続する必要すらないという結論となっています。
トンネルではなく、橋で第二湾岸道路を建設する方法についても、オプションになる可能性は十分にありえるでしょう。
阪神高速ではまさに第二湾岸道路に類する道路の建設が確定しました。
オリンピックを控えた東京、千葉エリアで、大幅なデイタイムの値上げを本格検討している首都高もこのまま終わるわけは無いように思います。
誰もが納得できる素晴らしい交通インフラが浦安に整備されることを願っています。