先日発表されたスターツショッピングセンターですが、地域住民としては開業が楽しみなだけでなく、スターツさんへの感謝の気持ちで今もいっぱいです。
クオン新浦安を買いたくなってしまいます。
スターツショッピングセンターのテナント情報は気になるところではありますが、判明した情報を転記しているだけならAIで自動でできるので機械にお任せするとして、浦安ファンでは少し切り口を変え、未来的ショッピングセンターの在り方について、考察をしてみたいと思います。
浦安ファンは将来的にその通りになるかどうか別として、独自に分析し考察し、これからの浦安のあるべき姿を考える存在としてあり続けたいと思います。
大好きな浦安がこれからもずっと発展し続けて欲しいという気持ちを大切にして、明るい浦安の未来を想像しながら皆様と一緒に楽しんでいきたいと考えております。
「Fun as a Fan」の精神が前提ですので、引き続きよろしくお願いします。
さて、話をスターツショッピングセンターに戻しますが、せっかくショッピングセンターとして再開頂けるので、世界のトレンドを見ながら、スターツショッピングセンターの次なる未来像について、考えてみたいと思います。
小売業界の歴史
現実の小売店舗はこれまでディスラプティブ・イノベーション(破壊的創造)の繰り返しでした。
昭和には街に1つはあった商店街で皆さんお買い物をしていたわけですが、まずスーパーという存在が出来て徐々に客を奪われて行きます。
そしてその後、郊外型の大型ショッピングモールという形態が発生し、街の小さなスーパーはこれまた淘汰されて行きます。
さらにはコンビニがそこらじゅうに出来て、もはや商店街や小規模店舗は、その存在意義を出すことが非常に難しくなりました。
しかし、そのコンビニやショッピングモールが、今やアマゾンを初めとするEコマースに大きく影響を受けています。
そしてアメリカではまさにそのアマゾンの影響で、本家トイザらスが倒産し、会社更生すら叶わずに清算することになってしまいました。
これらの小売業界の歴史をみると、スターツショッピングセンターには◯◯のお店が入るよ!という話だけで盛り上がっているのは、いささか平和ボケしているかもしれません。
そこで、リアル店舗がこれからの時代、どのように生き延びていこうとしているのか、海外事例を参考に考察してみたいと思います。
Eコマースと戦うよりも、組んでしまう戦略
日本ではまだ浸透していませんが、米国、特にシリコンバレーではお買い物代行のシェアリングサービスを提供するベンチャーが成長しています。
Postmates、Instacartあたりが超有名ですが、お客さんは彼らのアプリから欲しいものを買うと、近くにいるお買い物代行の人が店まで取りに行って、自宅まで届けてくれます。
日本のネットスーパーでは各店舗が自前で人を抱えるためコストも高く、配達にもものすごく時間がかかりました。
これを外注化できるので、店舗にとってもメリットがありますし、お客さんにとっても早く届けてもらえるというメリットがでます。
シリコンバレーのこういうベンチャーと組んで新浦安でPOCをしてみれば、浦安のブランドアップにもつながります。
また、アマゾンはアメリカで実店舗であるホールフーズを買収し、アマゾンフラッシュの配達拠点化を進めると同時に、無人でレジすら要らずに決済ができるアマゾンGO店舗の拡大を狙っています。
ドライブスルー化する戦略
車社会の新浦安にとっては、車で楽に便利にお買い物ができるニーズは強いでしょう。
そこで注目したいのが、ヨーロッパやアメリカを中心として展開されているのが、ドライブスルー型の店舗、通称「click and collect」です。
ネットで事前に注目したものを車で指定した時間にお店まで取りに行くと、車から降りずに商品をもらって帰るだけ。
宅配だと何時間か家で待たないと行けないし、到着時間も不透明。自分の行きたい時間に正確に取りに行きたいというニーズは非常に大きいのです。
車社会の新浦安にはフィットした発想ではないでしょうか。
アマゾンの脅威に晒されているのはアメリカも同じ。そんな中でジャイアントもこうやって進化して、戦い続けているわけです。
せっかく「新」のつく浦安の新しいショッピングセンターですから、こういう新しい取り組みを取り込んでみるのは面白いかもしれません。
自ら配送網を持つが全自動化してしまう戦略
自動配送というと車の自動運転を思い浮かべると思いますが、先日も事故があったようにまだまだ先は長い開発工程です。
しかし、すでに米国、ヨーロッパではPOCを終え、商業化フェーズになっている自動配送ロボがあるのです。
スカイプの創業者がマイクロソフトへのスカイプ株売却資金を元にエストニアのタリンで立ち上げた「スターシップ」という会社があります。
法規制対応のロービングにも長けており、シリコンバレーではまだ未開示ですが、とある企業内物流で商業化されています。
彼らの作るロボは、道路ではなく、歩道を人と同じくらいの速さで自動で走るのです。もちろん信号も基本自動です。人や障害物も全て自動で避けますし、人の割り込みがあれば即座停止して衝突を回避します。仮にぶつかっても痛くもありません。
使い方は簡単で、ドミノピザでの活用の例を見てみると、現行のデリバリーと変わりません。
運ぶのがロボになっているだけです。
注文側:アプリから通り注文する
お店側:商品をStarship robotに積み込む。すると自動で目的地に向かって走り出す
注文側:アプリでリアルタイムに商品をの現在地がトラッキングできる。
注文側:ロボが到着したらアプリに通知。アプリからパスワードを入力するとロボのロックが解除されて商品を受け取る。
とても簡単です。
しかも彼らは高価なLiDARなどのセンサーは使わずに、通常のカメラを使ってコンピュータビジョンにて設計しています。故にデリバリーコストがとても安く、近い将来にはデリバリー一回あたり100円程度で配送が可能です。
これが導入されれば、買い物難民などという言葉はもはや死語になるでしょう。
実店舗は買い物の空間ではなく、地域活性化の賑わいの拠点となるべき
こうして先端技術の取り組みを見ていると、ショッピングセンターの中にどんなお店が入るのか、という議論は正直あまり意味がないことがわかります。
それでも人が求めているものは、「人と人との繋がり」や「そこでしか体験できない体験価値」です。
その際たる例が外食です。どんなにデリバリーが便利でも、人は外食に行きたくなります。家族や友人と同じ場所で食事をするという「コト」に、人は価値を見出します。
従ってスターツさんが、スターツショッピングセンターにおいてもフードコートやレストランに力を入れて行かれるという方向性は、これからのショッピングセンターの在り方としては理にかなっていると思います。
さらには子供の遊び場も導入される予定とありますが、ここは海外事例を見ながら少し最先端の取り組みをしても良いかもしれません。
海外でもショッピングモールのテナント空き家問題が加速しています。それを解決するために、ショッピングモール内に集客設備を導入するのです。ディズニー客が多い新浦安ですから、ホテル宿泊者の集客も視野に入れる戦略があっても良いかもしれません。
米国ではショッピングセンターにVRを使ったLBE(Location Base Entertainment)が、いまショッピングモールの救世主として注目を浴びています。もっとも有名なスタートアップで言えばソルトレイクでビジネスを開始し、ニューヨークへ進出、そしてディズニーにスターウォーズのVRアトラクションを提供することになった「VOID」です。
LBEであれば、ディズニーランドクラスの体験価値を持つアトラクションが、10m四方の小部屋で実現できます。
日本にもディズニーアクセラレータに採用されたティフォンという会社が、壮大なゴーストハウスアトラクションをお台場で展開しています。
ただのVRを使ったお化け屋敷で映像だけどと分かっているのに、リタイヤ続出です。ちなみにお台場のショッピングモール「ダイバーシティ」にテナント跡地で導入されていますので、一度体験されてみてはいかがでしょうか。
こんなLBEテナントを誘致すると、ららぽーとにも負けない爆発力ある目玉誘致テナントになるかもしれません。
しかも、VRはプログラムなので更新するのも大変安いため、アトラクションを随時更新することが可能です。安定した持続的集客を期待することができ、ディズニーランドとのシナジーや近隣のホテル客の取り込みにもつながるでしょう。
この戦略は間違いなく今後の商業施設のトレンドになると確信しています。例えば業績絶好調のイオンが広島に新たにオープンする施設にも、こんなVR系エンターテイメント施設が導入されます。
まとめ
世界の事例をみていくと、単にどんなお店を入れようか、という議論だけでは近いうちに頭打ちしてしまう可能性があります。
こういった最先端の取り組みを先んじて世界から取り込んでいくことで、リアル店舗経営の先行きにも大きな変化ぎもたらされるのではないでしょうか。
なおスターツショッピングセンターのテナント予定についての詳しい紹介は
をご覧ください。