iPhoneはすでに日本での携帯電話シェアの過半数を占めており、ランダムで人を選んでもたいていの人がiPhoneを持っているという状態です。そのiPhone成功の理由について考えてみました。



アップルはiPhoneの製作を視野に入れながら、まずはiPodを開発し、そのノウハウと顧客ニーズを探りました。

そして、そこで「いけるぞ!」という感触を得たうえでiPhoneの投入に踏み切りました。

iPhoneがこれだけヒットしたのは以下の3つの理由によると考えています。

① ボタンが3つしかない革新的な超シンプル設計

当時の日本の携帯は折り畳み式電話が主流で、その機能はどんどん進化していきました。

そしてボタンの数は増え、機構も複雑になり、その機能のほとんどは使われない宝の持ち腐れ状態となっていました。

そんな中で出てきたiPhone。ボタンが3つしかないという斬新さは当初はプラス面とマイナス面があったと思います。

しかし、ホームボタンを押せばすべて何とかなるというシンプルさ・簡単さと、ガラケーと比べてボタンがない分画面が大きく、大変見やすいという利便性から口コミでどんどんニーズは拡大をしていきました。

そして、ここからさらにアップルのきわめて賢いマーケティング戦略の登場です。

②ソフトの開発を外部に任せる新たなスタイルを導入

それまで世界を席巻していた日本の携帯電話製造は、ソフトまで含めて携帯メーカーが作成し、インストールしたうえで販売をしていました。

これをアップルは完全に覆しました。携帯電話業界では想像できなかった仕組みだと思います。

この他社にソフト開発を任せて、元締めとしてアップルが承認・配信をコントロールする制度は3つの画期的なメリットがあります。

メリット1: 使われないソフトを開発するコストや事業リスクから完全に切り離され、OSという基幹ソフトの開発に資源を集中できる。

メリット2: ソフトはユーザーの好みで取捨選択でき、自分だけのiPhoneというロイヤリティを創造できる

メリット3:  ソフト開発のライセンス供与で、何もしなくてもアップルは儲かるという美味しい制度

この仕組みをはじめて導入したアップルのマーケティング戦略思考には感動すら覚えます。

とはいえ、実はこのビジネスモデルは日本の有名な会社が1980年代に生み出していました。マリオで有名な任天堂です。

ファミコンも実は同じ仕組みです。ハードは安く売り、ソフト販売のライセンシングで任天堂は利益を上げていました。

そしてiPhoneヒットの3つ目の理由です。

③itunesとicloudを用いたバックアップを無料で提供することでiPhoneリピーター化を促進

携帯を変えるときにいつも困るのがデータの移行です。

これをiPhoneではitunesに自動的にすべてバックアップさせ、新しいiPhoneが出てもボタン一つ二つ押すだけですべて元通りになります。

あとからアンドロイド携帯も多数出てきましたが、スマホという分野を第一の矢と第二の矢で切り開き、新規顧客となったアップルユーザーは、この簡易なバックアップシステムにより、永遠のiPhoneユーザーとなるわけです。

これらの3つの施策が連携して、iPhoneは世界中で大ヒットになったのではないかと考えています。

そして、この3つの仕組みはiPhoneを初めて市場に出した時から、十分に設計され仕組まれていたマーケティング戦略です。

iPhoneという端末そのものの機能も素晴らしいですが、それと同じくらいこれらの「仕組み」がiPhoneの大ヒットを支えていると考えられます。

マーケティング戦略とは、売れる仕組みを考えること、とP&Gの某マーケティング担当者が言っていましたが、確かにそうだなあと感じさせるiPhoneでした。



さて浦安はどうすべきか

浦安の魅力向上、観光活性化についてもこのようなマーケティングの仕組みを導入することはできないものでしょうか。

すでに従来型のパンフレットを配る、ウェブで情報を流すだけではこの情報社会では埋もれるばかりで結果には繋がらないでしょう。

観光客や受け手である住民自らが浦安を発信する仕組みを作ることはできないでしょうか。

例えばシティプロモーションのウサやる星人の動画作成の外注で1.2億円をつかった訳ですが、例えばその予算を別のやり方でもっと活用できたかもしれません。

例えば、

①世界中のユーチューバーに対して、1年浦安に住んでただひたすら浦安の魅力をユーチューブで発信してくれれば年収を1000万円を支払う。

②募集人数は二人。

③より多くの閲覧数を獲得した人は、もう1年延長するオプションを付与。

みたいな形で公募で募集すれば、世界中から様々なアイデアを持ったクリエイターが応募してくるのではないでしょうか。

そして独創的な浦安情報を世界中に発信してくれます。

こういう画期的なことを日本初で浦安でやってみるなんていうのはいかがかななんて、妄想を膨らましています。