三番瀬学習施設計画とは

浦安市日の出の南端には、三番瀬の学習施設用地として土地が確保されています。

場所は以下の地図の場所です。

三番瀬の美しい海を目の前に臨む最高のロケーションです。





 

震災の前は、この施設はこんな計画でした。

浦安市では、環境保全課より3,240千円の予算が計上されており、現状では調査段階。調査内容は以下の通り。

「市民が、身近な自然環境である三番瀬の生き物と関わりを体験学習できる施設とし て設置検討をしてきた、(仮)うらやす三番瀬環境学習施設について、東日本大震災後の三番瀬干潟の環境変化を踏まえ、学習の進め方や役割・施設運営などの基本的な考え方や方向性を、市内環境活動団体などと連携を図りながら、調査、検討を進める。」

数百万の調査費用を毎年かけていますが、震災影響で結局は止まっていました。

それが今年から動こうとしています。

すでに6月議会で設計のための予算が可決され、いままさに設計が始まろうとしています。

市民の声を届け、民意を届けるには今しかチャンスはありません。

有益な活用方法を考えるべき浦安で有数の一等地

広さで言えば大体40メートル四方ぐらいの面積です。

この広さでは、何か展示を行ったり博物館的な施設にするには正直スペースは十分とは言えません。

箱物は中途半端なサイズで作ると本当につまらないものになります。だからディズニーも室内型パークの検討は諦めました。

例えばテーマパークであれば最低でも1,500億円ぐらいは投資してそれなりの規模のパークを作らなければ、まず経営はうまくいきません。水族館や博物館も同じことが言えます。

加えて船橋にもお金をかけて新設した三番瀬環境学習のための施設がオープンしました。浦安に同じような施設が不要であることは自明でしょう。

設計が本格的に始まってしまうと、変更は極めて難しくなるでしょう。今が市民の声を反映して頂く最後のチャンスです。



限りある土地をどのようにすれば1番市民のためになるのかについては徹底した議論が必要だと思います。

中途半端な規模感で、環境学習施設を作るよりは、もっと市民の憩いの場となるような活用の仕方があるのではないかと考えています。

内田新市長が掲げる三番瀬の市民解放案ともリンクすべきです。

例えば、富山では民間への指定管理者制度を活用し、「世界一美しいスタバ」が設置されています。

2~3階建ての建物とし、一階にはランニングの途中で休憩したり、アフタヌーンコーヒーができるカフェを配置し、二階には夜まで三番瀬の夜景を見ながら食事が楽しめるオーシャンビューのレストランを誘致したらどうでしょうね。

お隣の千葉市では海浜公園にすでに民間活力を使った商業施設の導入が行われています。浦安は負けていていいのでしょうか。

細かな理屈を学習しなくても、美しい三番瀬を見ながら家族との大切な時間を過ごしていれば、自ずと心で感じ、浦安の海を大切にしようという気持ちが芽生えてくるのではないでしょうか。

何よりゴールデンウィークには三番瀬に多くの家族が潮干狩りでアサリを採ります。乱獲か否かという問題はさておき、環境や自然の学習というのは箱物の中でこじんまりやるよりも、自然にそのまま触れた方がはるかに良い体験学習です。



この場所は観光客をおもてなしするにも最高のロケーションであり、夕食難民の多い新浦安地区のホテル利用者にとっても貴重な存在のレストランになるはずです。

さらに、PFIではその設計次第で、民間に事業リスクをとってもらうことで、浦安市としてはノーリスクで土地賃貸料を得ることもできます。プロフィットシェアリングの仕組みを入れて稼ぐ浦安の実現に活用できる場所でもあります。

既にこれらの取り組みは、上記の富山市に限らず日本中で行われています。近場で言えば、千葉市の公園内のレストランです。もちろんある程度リスクをとって案件の早期組成に注力するのも良いですね。

なぜこんなに財源も、物理的な資産も豊富な浦安市では、すべての取り組みが周回遅れになってしまったのかとても残念ですが、今から積極的に取り組むことに遅すぎるということはありません。新しい市政に期待が高まります。この場所は1つの試金石になるかもしれません。

浦安ファン.comが考える当区画の活用方法

上記にある千葉市の施設と比べてもそん色ない十分な広さがあります。

そして目の前海があるというロケーションも、観光商業施設としては素晴らしいものがあります。

課題として駐車場がないということがありますが、例えば1階部分は駐車場にして、2階部分、3階部分に商業施設を展開すればその問題は解決できますし、また、大江戸温泉万華鏡がタイムズになるため、そこと提携することでキャパシティ不足も解消できます。

三番瀬はたくさんの市民が護岸を超えて水際線で釣り、潮干狩りなどを楽しんでいます。もはや侵入禁止は意味をなしていません。

バイクで公園内を走るマナー違反者もおり、むしろしっかりと管理すべき場所であると思います。

今回内田市長は三番瀬の開放を公約として掲げています。市民はその実現を待っています。

例えばニューヨークのロングビーチの運用は大変参考になるのではないでしょうか。三番瀬の海岸観光活用にそのまま応用可能です。

ニューヨークにおけるロングビーチの運用

海岸に沿って綺麗なボードウォークがあり、そこから砂浜に降りる場合にはゲートで入場料を払うことでビーチに入ることができます。

確か一人$10くらいだったと思います。また、シーズンパスもあり、近隣住民$40、地域外の方は$80だったと思います。夏場は電車でわざわざマンハッタンからビーチに休日を楽しみに多くの人が行くのです。

東京都による「公園管理」から「公園経営」への転換

東京都ではだいぶ前から都民、来訪客の満足度とリピート率を高めつつ、自然環境にも配慮した公園の活用へ舵を切っています。以下東京都HPより。

浦安には東京にも負けない潤沢な資金があります。とはいえそれはきっかけであり、民間活力も利用して稼ぐ浦安市になることを目指すべきでしょう。

三番瀬学習施設用地の商業施設にて入場券を購入して、そこからオーバーブリッジで三番瀬に入るようにすることで入場の管理が徹底でき、その収入で護岸と護岸の向こう側の整備、例えばワイキキのようにコンクリートの上を白砂で覆って人口ビーチを造り、市民や観光客の憩いの場とすることが可能です。

お台場のように近隣諸島から砂を持ってくることで三番瀬の生態系に与える影響も限りなくゼロにできますし、収入を生む仕組みになっていますので、その収益を使って護岸の整備、クリーンナップ活動、さらなる公園の魅力向上のための整備資金に充てることが可能です。

千葉市での砂の投入は10年に1度くらい行っており、だいたい7億円ほどかかっているようです。浦安の三番瀬ビーチ300メートル程度の長さであれば1億円というところでしょうか。

砂浜を作るとなると砂が流されないように防波堤を東京湾側に作らないといけません。その防波堤を釣り人に開放し、様々な目的を持った人たちが楽しめる観光スポットのすることができます。また、羽田等と結ぶ港湾施設の整備に使えるかもしれません。

学習施設用地の建物の建設、運営、護岸の向こう側の三番瀬の観光化をセットでPFIとして民間提案を受領することで、いくら調査費をかけても出てこないような素晴らしいアイデアと実行力を持った提案が出てくる可能性があります。

オリエンタルランド社にも声をかけて、「ディズニービーチ」を経営してもらうことも狙えるかもしれません。周辺のホテル事業者が手をあげてくれるかもしれません。

観光活用に標準をあわせた三番瀬の活用とすることで無限の可能性が示唆されます。

例えばこの広さがあれば、三番瀬を見ながらこんな飲食商業施設を作ることもできます。

環境についても、東京都のように環境保全ではなく、むしろ環境再生として事業化すれば良いのです。森は植樹して再生させて良くて、海に人工渚と岩場を作って海洋自然の再生をしてはいけない理由もありません。

ハワイのワイキキも、元々はただの湿地でした。それを本気で官民で観光地にしようと、埋立を行い、白砂を運び、人工でビーチを作り出したのです。

世界屈指のディズニーの横に素晴らしい海がある浦安です。このメリットを活かさないのはあまりにも勿体ないことです。

千葉市でいままさに動いている稲毛海浜公園の民間活力の活用事例

参考になる他事例としては千葉市の稲毛海浜公園の民間事業者提案募集です。

下図の通り、海岸線も含めた一体的な公園活性化の提案を求めることとしており、民間からの質問も多数寄せられています。

この募集要項はバランスを取りながらなかなか良く設計されているように思います。

以下千葉市HPより。

千葉市は、稲毛海浜公園の再整備に向け、民間から事業提案を募集する。事業者が施設整備と一体で公園の管理運営を行う。園内にはすでに民間事業者が複合施設をオープンし、他の公園でも民間活力を導入。民間のノウハウで同公園の魅力を引き出し、海辺エリアのにぎわい創出を推し進める。
市は同公園にある「いなげの浜」などの海辺を魅力ある地域資源の一つと位置付け、昨年3月にはグランドデザインを策定した。同デザインを踏まえ、「同公園が持つ都市型ビーチなどのポテンシャル」を最大限に生かした事業提案を求める。
事業期間は20~30年と長期にわたり、リニューアルにかかる費用は原則事業者の負担だが、市負担分を提案内容に応じて協議する。収益は許可使用料を除き事業者の収入になる。
事業提案区域は、検見川地区を除く約82ヘクタール。園内を大小合わせて6エリアに分けており、一部のエリアだけでも事業提案できる。
同公園には、いなげの浜やヨットハーバー、三陽メディアフラワーミュージアム、屋外大型プールなどの施設がある。開園から40年以上経過して施設の老朽化が進み、今後、多額の改修費用が見込まれる。これまでは指定管理者制度を導入していたが、民間の経営手法と資金を活用することで、市には財政負担を軽減できるメリットがある。
同公園検見川地区に昨年3月オープンした民間複合施設「ザ・サーフオーシャンテラス」は、1年間で約9万4千人が利用し、周辺地域の活性化につながった。市公園管理課は「海辺をにぎわいあるものにするため、できる限り多くのエリアを対象に事業提案してほしい」と話している。(千葉日報)

千葉市は大型公園の集客力向上へ民間企業の活力を本格的に導入する。2018年春に泉自然公園に体験型アウトドア施設を導入するほか、稲毛海浜公園でも新たに施設整備の提案を募る。これまで一部の施設で取り入れてきたが、集客力の向上に効果があると判断。民間活力を積極的に取り入れ、市の財政負担を抑えつつ魅力を高める。このため2020年にかけて全面的な改装を順次進める計画。事業者には20~30年の長期間の予定で事業を続けてもらう方針だ。
千葉市は14年にオートキャンプ場と合宿所を合わせた「昭和の森フォレストビレッジ」を開いたのを皮切りに民間活力の導入を進めてきた。背景には2つの狙いがある。
ひとつは集客力の向上だ。16年には稲毛海浜公園内にレストランやイベントホールを備えた「ザ・サーフ オーシャンテラス」を開業した。オーシャンテラスは年間10万人近くが訪れ、拡張工事中だ。同様に民間活力の導入で動物とふれ合う体験施設を導入した千葉市動物公園は、来園者が従来より25%増えた。
もうひとつは財政負担の軽減だ。稲毛海浜公園は一部施設では指定管理者制度を採用し、運営を民間企業に委ねている。市はその他の部分の管理費や委託料として年間約4億5000万円を支出している。民間企業が施設の整備・運営を一貫して担えば管理費を削減できるだけでなく、土地の使用料収入も増える。
熊谷市長は「民間の創意工夫で行政が思いつかなかった付加価値をつけることができる。(施設周辺の)エリア全体を活性化させる起爆剤になる」と民間活力の導入拡大に期待する。(産経)

市の費用負担はほとんどなく、民間事業者の創意工夫と資金で稲毛海浜公園は大きく生まれ変わります。ビーチや海も含めた公園活用のアイデアを募集している事例であり、三番瀬活用の参考になると思われます。

浦安市もこのような事例をどんどん取り入れて追従すべきです。自らの税金で小さな施設を作るのではなく、三番瀬も含めた全体設計で考えて頂けたらと思います。浦安市も新しい市政の取り組みの中でぜひ追い抜いて頂きたいと思います。

ぜひ民間の知恵もうまく使いながら、浦安改革取り組みを新市政において実行頂くことができないかと願っています。