今日は顧客満足、顧客サービスについて、その向上施策について、接客する側が最も重要視している顧客インフォメーションは何でしょうか。
それは間違いなく、お客さまのお名前であると考えています。




お客さまの名前は、お客さまの顔そのものと言っても過言ではありません。

お名前を覚えてもらえている、というだけでお客さまは本当に嬉しいものです。

したがって、名前を間違えるのは論外として、たとえば飛行機のビジネスクラスのウェルカムの御挨拶時、明らかに直前に紙を見たうえで挨拶をに来るところをお客さまが見れば、この客室乗務員は自分の名前を覚えていないのだな、ということが即座に分かってしまい大きな不快感を与える可能性があります。

当然、全てのお客さまのお名前を覚えることは不可能ですが、たとえば1回のフライトあたり、自分が担当する座席のうち、10名だけのお名前は必ず覚え、ことあることにお名前で呼んでみるといった工夫を全員が行ってみたらどうでしょうか。これにより、全体としてのお客さま満足度はかならず向上していくと思います。

エアラインのサービス品質の格付けを行っていることで有名なSKYTRAX社でも、この名前で呼ぶこと、これを彼らは「BY NAME」と読んでいますが、by nameの実践・徹底を最重要項目として行うべきだとエアラインに対してアドバイスをしています。
実際に、最高ランクである5スターを取得しているエアラインでは、ビジネスクラス以上では全旅客に対して常にBY NAMEを徹底しています。

5スターを獲得しサービスに定評のあるシンガポール航空では、サービス中はもちろんのこと、エコノミークラスからビジネスクラスのサービスの応援にきた客室乗務員もBY NAMEを徹底しています。




ちなみにシンガポール航空のディッチング(避難教育)のプールは、かなり巨大なプールに波まで再現しています。実際の事故を想定したリアルな訓練になっています。

接客サービスもこのようなリアルなモックアップでサービス訓練を積み重ねています。


最高級ホテルの1つであるリッツカールトンが社員教育にて説明をしている「サービスの基本3ステップ」でも、お名前を呼ぶことを何よりも大切に考えています。

1.あたたかい、心からのごあいさつを。お客様をお名前でお呼びします
2.一人一人のお客様のニーズを先読みし、おこたえします
3.感じのよいお見送りを。さようならのごあいさつは心をこめて。お客様のお名前をそえます

超一流のホテルのリッツでも、By Name実践を顧客サービスの基本としている訳です。




お客さまの心に響く非常に有意義な取り組みですので、接客や対人のお仕事をされている方々は、明日からぜひ相手のお名前をさりげなく呼ぶことで、より良い人間関係が構築でき、ビジネスのスピードも加速されることと思います。接客業に限定されません。

例えば地域の集まりでも、人間関係の潤滑油として大変重要な意義あることです。名前を呼びあうことで地域の輪が広がって行くことは、地域の活性や非常時の助け合いにもつながります。
とても簡単なことですが、とても素晴らしいことです。ぜひ皆様におかれましても実践されてみてはいかがでしょうか。