ニューコースト新浦安の三階部分が11月22日にオープンしました。
テナント内容については以前から分かっていたので新たな驚きはなかったものと思います。
しかし、やはり気になるのはノジマ電機と、スタジオアリスの移転です。
これらのテナントを誘致したスターツ社側の思惑について、今回は考察をしてみたいと思います。
ノジマ電機とスタジオアリス
まずスタジオアリスですが、目の前にあったトイザらス新浦安店の中からの移転となります。
移転であることはスタジオアリスからも明言されています。
そして、残されたトイザらスの方の敷地は、寂しそうにシャッターが閉まっていました。
この残された跡地に、新たなテナントが入ることは相当考えにくい。なぜならば、トイザらス新浦安は2002年に開業し、20年間の定期借地権とするとあと3年足らずで更地に戻る可能性があるからです。
それを見越してのスタジオアリスの移転だった可能性があります。
少し前のニュースで「トイザらスアジア(含む日本)の株式が無事に買収された為、日本の事業は継続される」というニュースが出ていましたが、なんとも短絡的な解説です。
ファンドが買収した以上、真っ先にやるのはコストカット。こんな空き地を抱えたテナントは真っ先にリストラ対象にされる可能性が高い。
また、三階に新たにオープンしたノジマ電機に足を運ぶと、「ゲーム機」と、携帯電話、日曜消耗品、家庭用電機機器が目立っています。
トイザらスよりも還元率の高いノジマにゲーム購買層は流れていくはずです。
また、ヤオコーついでにプリンタのインクや電球など、日用電化品を買いたい人は、K’sからノジマに流れるでしょう。
K’s新浦安店への影響は甚大なものになる可能性があります。そうなるとこちらのK’sについても、定期借地権の満了と共に撤退となる可能性が急激に上がったという見方もできるでしょう。
スターツ社の狙いは?
このような見込みとなることはスターツさん側も予め分かっていたことでしょう。その上で比較的優遇的な賃料で誘致を進めた可能性があります。
そのスターツさんの狙いとしては、単にショッピングセンターの価値向上だけではないのではないか?という考えが湧いてきます。
本来はD2も含めて地域共生をするというのがこの商業地域の設定の原点です。それがこのようにガチンコの戦争状態を生みだしたということは、壮大な戦略が裏にある可能性も考えられます。
定期借地権の満了時にK’sおよびトイザらスが撤退し更地になる可能性があります。
すると、当地域で最大の建ぺい率高い容積率を誇る土地の賃貸または売却案件が発生し、この土地をスターツ社が手に入れることができうるという戦略です。
そうなれば名実ともに新浦安は、スターツさんの天下となります。
企業戦略としては、スケールメリットを活かした街の開発ができるようになりかなり威力のあるものになりそうです。
クオン新浦安は低層地域のため戸数に限界があり、まだ数十戸単位で在庫が残っています。販売価格がやはり高すぎたからでしょう。
今後は値下げも想定され、そうなるとクオン新浦安事業単体での十分な利益が確保しづらくなり、スターツさんにやり残し感が残るかもしれません。
そのことも踏まえると、容積率の高いエリアで高層マンションを作り、自社モールと連携させて他にない魅力的なマンションを作りたい、という想いが湧いてくることは自然な発想です。
今後、シンボルロードを挟んだガチンコの商業戦争の行く末は、数年後に新浦安がまた新たに大きく変わるきっかけとなる可能性を孕んでいるかもしれません。
今後の各社の動向は要ウォッチでしょう。