誰もが必ず1度は行ったことがある、または、ほぼ毎日行っているお店が「コンビニエンス・ストア」です。




特に欲しいものがなくても、ふらっと立ち寄ってしまったり、最近では100円で美味しいコーヒーを売っているものですから、とりあえず立ち寄って消費してしまいます。

さて、そのコンビニを題材にマーケティング論について考えてみました。

コンビニですが、都心部のコンビニでも、地方のコンビニでも店舗の大きさがほぼ同じであるのはなぜでしょうか?

地方の幹線道路で、山越えの手前にあるコンビニなんかでは店舗の大きさの10倍~20倍もあろうかという駐車場があります。

学生時代の頃にスキーで山籠もりをしているときは、頻繁にコンビニのお世話になったものです。

普通に考えると、あれだけの広さの土地を確保できるのならば駐車場ではなく店舗をもっと大きくし、

より多くの商品種別を置くことで売上を最大化すべきだと考えるのも自然です。

しかし、実際には多少店舗の大きさは違いますし、その場所の特性に応じて微妙に商品を入れ替えを機動的に行っておりますが、原則として店舗サイズは同じような大きさです。

この理由について、マーケティング戦略の観点から考えてみました。




確かに、商品戦略で考えたときはもう少し売り場を広げて、販売点数を増やしたほうが売上増に寄与するのは間違いないでしょう。

しかし、コンビニが提供している本来提供している「価値」は何か、ということについてマーケティングの側面から考えてみると、答えは見えてくるのではないでしょうか。

コンビニが販売しているもの、お客さまに届けている価値はなにか、

それは「商品そのもの」ではないという仮説です。

もし「商品」を販売するのであれば、もっと売り場面積を拡大して点数を増やすべきです。

しかし、あえてコンビニはそうしません。

それはコンビニが提供する価値が「商品」ではなく、その名の通り「コンビニエンス=利便性」だからだ、と考えています。

あえて店舗のサイズを小さくし、必需品に絞ることにより、パッと商品を購入してすぐに出発できるという利便性が生まれます。

この利便性は、もし店舗が大きくなてしまうと、瞬間に失われてしまいます。

だからこそコンビニは日本全国どこにいってもあのサイズの店舗で運営を行っているわけです。

また、サプライチェーンの観点からもあのサイズだから効率よく運営ができているというメリットもあります。

限られた面積故に、常にPOS(Point of Sales)端末で商品の需要を正確に把握し、タイムリーに発注・納品を行うことで在庫ロスも大幅に減らせるわけです。

日本のコンビニシステムは非常に高度に設計されたマーケティング戦略の賜物であると見受けます。

あれだけのトラフィックがあるコンビニという立地は、今後も更なる新しいビジネスの可能性を秘めていますので、大変興味深い事業であることは間違いありません。

コンビニにポストや行政サービスが最近はインストールされています。こうしてさらなる付加価値を高める努力を各コンビニは続けております。

次は何が来るのか?バス停との連携や鉄道との連携、そんな交通インフラとの掛け合わせが来るような予感があります。