来月4月上旬に閉店予定のイトーヨーカドー新浦安店とは裏腹に、葛西のイトーヨーカドーがリニューアルされた「アリオ葛西」は、フードコートの拡充によりさらに大繁盛しています。
昨年5月にイトーヨーカドー新浦安店が閉店し、食品館としてスーパー部分だけが再開されました。
しかし、既存店売上高は減収している模様です。
地域の声としても、車がある人はそれまでイトーヨーカドーに行っていた人達も食品館になってから行かなくなったという声を良く聞きます。
スーパー部分は全く同じままなのに、なぜ既存店売上高が落ちてしまったのでしょうか。その原因はフードコートや雑貨購入との相乗効果を失ったことと考えられます。
フードコートでお昼ご飯を食べた後に夜ごはんの材料をスーパーで買う、雑貨を買った後にスーパーにも立ち寄ると言った複合需要が大きかったのではないかと考えられます。
実際にアリオ葛西では、イトーヨーカドーからのリニューアル転換において、フードコートを大幅に拡大しています。
アリオ葛西の新フードコートの様子
アリオの中央部分に以下のような大規模なフードコートがオープンしました。
これまでのフードコートもそのまま残っていますので、フードコート面積は純増しました。
イトーヨーカドー社としても上記の仮説と同じく、「フードコート × スーパー」というシナジー効果に着目した店舗戦略に方針転換したものと思われます。
なお、フードコート以外にも、子供向けの有料プレイスポットなども新規オープンしています。
隣接する島忠でもリューアルが行われています。
新たに「GAP Outlet」、「ダイソー」がオープン予定です!
さらにとなりの敷地にはハワイをモチーフにした大規模なマンションが建設されます。この地域の付加価値は急激に上昇していることは間違いありません。
浦安の相対的経済沈下が心配されます。
イトーヨーカドー新浦安でも、かつての栄光である衣料部門だけを撤去してフードコートとし、地域の人々が集える場所に転換をしていたら、そもそも撤退する必要はなかったのかもしれません。
新浦安イトーヨーカドー跡地への示唆
スターツさんに対して浦安市はマンション建設時にも路面にはスーパーを残すことを強く要請して頂いており、スターツさんもその方針を了解して頂いてあるようです。
マンションに建て替えられる場合には、最近よくある一階部分がスーパーになっているような高層マンションになることでしょう。
イメージ図
しかしながら、これまでの経緯を考えると、地域の発展のため、そしてスーパーの持続的経営のためには、スーパーのみならず、フードコートのような地域の人々が集える場所を併設することが肝要ではないかと思います。
スターツさんには、是非ツインプレイス篠崎の事例のような複合商業施設として設計して頂けたらと思います。
参考記事:検証!スターツはイトーヨーカドー新浦安跡地をどのように開発するのか?
4月上旬にはイトーヨーカドーは閉店予定です。
これが浦安の衰退ではなく、スターツさんによる新しい浦安の未来創造の一歩となることを願っています。
高洲には1000戸弱の巨大な低層マンションが三菱地所さんによって開発されますし、スターツさんのクオン新浦安を合わせると大きな人口増加になります。クオン横戸建てやアイルズの建設も数百単位で建設される予定です。
海に囲まれており商業は難しいという評価をうけがちな浦安ですが、平均世帯収入の高さと人口密度の高さ、さらにはディズニー客の外部からの滞留人口を考えれば商業には十分なポテンシャルを持っているはずです。
是非積極的な商業参入が行われるよう、浦安のPRを地域全体で行なってはいかがでしょうか。