昨年2017年の浦安を振り返ってみつつ、2018年の浦安についてあれこれと考えてみました。

 

元町(浦安駅周辺): 駅周辺の商業はリニューアルが進み、民間事業者による地域活性化がすすんだ。公約の駅前の再開発については目立った進展は無かった

中町西側:アクロスプラザが開業し、東野周辺を中心に民間事業による地域活性化が進んだ。東野周辺の不動産価格も増加傾向

中町東側:主だった変化はなかった

舞浜周辺:ディズニーの再開発が発表され、オリエンタルランドの株価は震災前後に比して500%超増。戸建住宅街の液状化対策事業は複雑化

新町浦安駅周辺:イオン及びモナのリニューアルにより、新浦安駅周辺の利便性は向上。ただ、イトーヨーカドー撤退の煽りを受けて混雑度があがる。特にイトーヨーカドーフードコートの消滅により、飲食店舗の混雑は高まった

新町高洲側: 昨年は大きな変化は無し。ラグビー施設の建設が進むが地域活性化にどれほどの寄与があるかは不明

新町海側: ホテル建設ラッシュの一年。イトーヨーカドー施設が売却され、スターツによるマンション化計画が進む。フードコート消失による住民生活への影響は大きい。海側にはマリナガーデンが開業したが、肝心の生活関連施設の事業者がなかなか決まらず。

 

こうして見ると、民間事業者による浦安の活性化は一定程度進んだ2017年のように思います。一方で、政権交代一年目ということもあり、市政主導の浦安活性化は主だった変化はありませんでした。

まもなく政権交代から1年がすぎ、今年は2年目となります。今年の市政の取り組みで次の選挙における実績の有無が決まります。次の選挙では強烈な浦安ビジョンを打ち出す新人が出てくるかもしれません。実績作りには3年くらいの年月は必要です。今年は次の選挙に向けて新人候補にはできない「実績作り」の為の着手が必要な年です。2万超の票を集められた内田市長の手腕に期待が寄せられています。

さて、浦安全体を俯瞰して見れば、現状はまだ緩やかな成長傾向とも言えると思います。一方で、今の延長線にオリンピック景気の流れを掴み、全国のニュータウンがかかえる急激な高齢化問題に対応できる体制には遠いように思います。

すでにこのような問題が具体化する日本の地方行政では、役所も必死になって地域の魅力を高め、地域外からの人の流入を作り、それをきっかけに定住者も増やそうとする努力をされています。

例えば浦安と同じく水際線を観光資源として持ち、花火大会でも有名な地方都市では、国の制度を使ってこんな取り組みが行われようとしています。

【出所:2018年元旦付長野日報より】

諏訪市は諏訪湖畔公園付近に、人が集って憩う「水辺カフェ」の設置を検討している。

水辺を感じられる場所に設け、観光客や住民に訪れてもらい、諏訪湖畔のにぎわい創出を図る。観光施設である諏訪湖間欠泉センター周辺が候補地の一案に挙がっている。オープンスペースのカフェを想定し、展開する場合は民間事業者の協力も得たい考えだ。

市は2020年度末の供用開始を目指してJR上諏訪駅西口前を走る都市計画道路柳並線を湖畔の市道湖岸線まで延長する計画でおり、整備されれば駅から湖畔まで直結する道路として観光面に影響する可能性がある。諏訪湖周の観光振興では県、岡谷市、諏訪市、下諏訪町が連携する「諏訪湖周サイクリングロード」の整備計画や住民有志が河川や湖を活用してカヌーで周遊しようとの動きもある。

水辺カフェはこうした取り組みとも連動し、湖畔の河川区域内の有効活用を目指す。県が諏訪湖の整備や活用の方向性を示す「諏訪湖水辺整備基本計画」の案でも諏訪湖畔公園周辺は「賑わいとふれあいの湖畔」として位置付けられている。

事業の推進では、水辺を活用して地域活性化を図る国土交通省の「かわまちづくり支援制度」の活用を想定。岡谷市、下諏訪町を含めた2市1町の連名でそれぞれの事業を盛り込んだ「かわまちづくり計画」を申請する方針。河川管理者の県とも連携して取り組む。

水辺に近い場所にカフェを設けることで多くの人がより諏訪湖を身近に感じられる―との期待もある。諏訪市建設部は「湖畔は夕日と諏訪湖の景色の良さが感じられ、花火も楽しめる場所。魅力アップにつながれば」としている。

 

なんとも浦安市に似たシチュエーションです。この主語がもし浦安市であったなら、素晴らしいニュースとなっていたでしょう。上記のように財源が厳しい地方都市の再生の為に国も各種制度を用意しており、さらに最近では官民連携の工夫で財源及びアイデアの面で民間事業者のノウハウを取り込む動きが加速しています。

翻って、浦安市の2018年以降の取り組み方針を見てましょう。

【出所:内田市長選挙公約及び浦安市広報より】

これらの政策が、どれほど浦安の活性化につながるのか、その様子が見えてくるのが2018年となるでしょう。

新町活性化の目玉として、三番瀬の市民開放がありますが、この詳しい内容はまだ発表されていません。浦安市の観光資源にもなる三番瀬を、民間事業者とも連携した素晴らしい整備が行われることになれば、浦安活性化の大きな起爆剤になります。

一方で、単に法律的には立ち入り禁止区域である三番瀬のテラスや東京湾側護岸堤防に、千葉県の許可のもとで入れるようにするだけであれば、浦安市=千葉県のご調整は大変であるにもかかわらず、すでに日常的に行われていることの追認に過ぎない為、生活は何も変わりません。効果測定がとても難しい所です。

これらの政策についてはプラスαの地域活性化施策が難しいようであれば、逆に三番瀬はこのまま現状維持として、境川河口の再開発や千葉市が積極的に行っているような船便の誘致に全力を注ぐ方が良いのかもしれません。もしくはプラスαの要素から逆算して、千葉県との交渉を進める必要があります。

せっかく凄まじい数のホテルが新しく出来るのですから、外から来る人がディズニー以外でも楽しめる浦安市を作るべきでしょう。オリンピックという50年に一度のチャンスもきます。

浦安の未来作りに行政・市民が一つになり、地域一丸となって取り組める2018年になったら良いなと願う新年です。