2021/3/2に、これまで音楽ホールの建設の経緯に疑義を呈していた市議の折本さんと、前市長の松崎さんがオンラインライブで直接対談を実施されました。

当該対談の動画はこちら:

https://youtu.be/54-wgbW0hCg

対談の経緯

当該オンライン対談も、オンラインSNSツールがきっかけで実現しました。

松崎さんは今後は開かれた市政、距離の近い市政を実現する為にデジタルツールを今後はフル活用して、市民との対話や情報共有を継続することを表明されています。

その中で、視聴者であった折本さんから本対談の申し出があり、それを松崎さんがその場で応諾したという経緯です。

オンラインライブ配信は、誰もがみているので、逃げたり隠れたり、編集したりすることはできません。

それをしっかりと実施している政治家とやらない政治家は当然市民へのコミットメントも変わりますし、今回のように市民が求めている対応がリアルタイムで実現する効果があります。

明かされた音楽ホール建設の経緯

折本さんから提示された市民からの疑義は大きく二つです。

①土地の交換の金額設定が不透明ではないか?

②なぜ長期契約のリース契約で音楽ホールなのか?

これに対して、松崎さんから今回、その背景について説明がありました。

土地交換の金額設定の背景

折本さんから、以下のパネルを使いながら新浦安駅前の市有地の価値が著しく低い価格で取引が行われたのではないか?という疑義が示されました。

震災前の13億から、6.6億円に半額となっています。またこの取引の翌年のオリエンタルランド本社の取引よりも安い価格である点も疑義が示されしまた。

数字だけをみると確かに不思議です。

その折本さんの疑義追求に対し、これまで市民には語られることのなかった本案件の30年に亘る経緯が松崎さんから明らかにされました。

音楽ホール建設の話は長年の浦安の課題と紐づいています。内田さんも課題であり、解決しないといけないと言っている東西線浦安駅前の区画整理です。地権者調整が進まずなかなか進んでいません。それを進める為に必須の土地が交換対象となった猫実の民有地でした。

ここを確保する為に浦安市は長期に亘って交渉を続けてきました。民間側オーナーも協力的でしたが、入居するテナント利用者が退去するまでディールは進みませんでした。

そんな中で当時は日本中でインバウンド需要が拡大し、ホテル建設ラッシュとなっていました。猫実の駅前の土地ということで、高値でホテル用地として買い取るという話が進み出しました。要は民間とビッドになってしまったということです。

この中で浦安市が取れる選択肢は二つ。

A)この土地を入手して浦安駅前の再開発を推進する

B)この土地を諦め、同時に浦安駅前再開発を諦める

そして、浦安市が当時選択したのはA)でした。

そして、現金取引ではなく元々この為に確保しておいた土地交換の手法が選択されました。

この評価額が妥当なのか?という議論になっていましたが、もし現金取引だとすると、民間とのビッドになり結局は高い金額を払わざるを得なかったということが想定されます。

浦安駅前の区画整理の為に必須の土地が競争入札のような状態になってしまい、どうしてもその土地が必要な当時の浦安市側の交渉の立場が弱かった、ということがこのような数字になった背景ということになります。

もう少し時間的に余裕があったり、先んじて新浦安側の土地を競争入札で売却した資金を確保しておいた上で、猫実の土地を購入する形にすればもう少し良いディールにできたのかもしれませんが、震災復興もあり手が回っていなかったのかもしれません。

なぜ長期契約のリースで音楽ホールなのか?

これについても、以下の説明が松崎さんからありました。

そもそもの出発点が浦安駅前再開発のため、ということで、この取引時点では音楽背景ホールにするというような話どころか浦安市の施設をここに作ることも決まっていませんでした。

しかしながら、当時の松崎さん・浦安市には「浦安を最高水準の文化芸術の街にする」という大戦略がありました。

ここは以下のパネルにあるように「専門的な文化施設は東京に依存で良い」というスタンスの内田さんとは真逆の考え方であると松崎さんは語っていました。

そして駅前のアクセスの良い場所なので、それに資する施設を入居させて欲しいということを民間側に要請したそうです。

最初はプラネタリウムの案など複数案が出ていたそうですが、ヒアリングしている中で最高峰の音楽施設が欲しい、という声が強く出てきた為、最終的に音楽ホールとして設計されることになったということです。

この決定を急がねばならないのは、民間側の申請スキームとの兼ね合いで、すぐに市が決めなければ、低層の商業ビルになっていたため、決定を急がざるを得なかったという説明でした。

音楽ホールという特殊形状のため、長期リースにしなければ賃料が跳ね上がってしまう為、年間の負担を下げる為に30年リースとしたという説明でした。

ただ、公共施設は作らないという選択肢もあったかと思います。

これからはデジタルツールで広く市長から市民に問いかけ、対話をしながらマジョリティの意見を拾って欲しいところです。

必要な経費を浦安市内の他施設と比べたものが以下です。

松崎さんによると、他にもっと大きなコストがかかっている公共施設も存在するのに、なぜか音楽ホールだけが突出して高額のように言われてしまうのは残念だと説明していました。

音楽ホール案件に関する反省点

こうしたオンラインデジタルツールで当時から広く市民や議員とオープンに対話をしていたら、こんな長い時間に亘って問題視されることはなかったのだと思います。

内田さんも今は双方向の対話を全く行われていませんが、誰が市長になっても今後の市政は開かれた双方向のものにならないといけません。

この施設を何にするのか?という点もデジタルツールを使えば広く市民の声を聞けたはずです。

例えば内田さんがこだわっている20億円弱の出費となるこども図書館なども、本当に市民が求めているものなのかを市民に問う必要があります。

また音楽ホールは最高峰の施設だということですので、もっと受益者負担で良いはずだという見解で対談では一致していました。

音楽ホールに限らず全ての公共施設に言えることですが、行政は経営はうまくありません。もっと民間のノウハウと資金を活用していくことで、より稼げる施設になり場合によっては日本各地の他事例のように税金負担無しで、市民が豊かに暮らすことができる新しい施設の整備や、運営ができるようになります。(例: 空港民営化、公園PFIなど)

以下は松崎さんの先日の政策マニフェストです。

今回の選挙で選ばれる市長には、このあたりを本腰入れて改革をしていただきところです。

どんな街に浦安が進化していくのか、3/21に行われる選挙での皆さんの投票が、それを決めることになります。