先日羽田空港のターミナルビル運営会社の方々とご面談する機会があり、ちょうど彼らが羽田空港な船の桟橋を管理しているため、浦安との定期航路の開設について話をしてみました。すると意外な返答が返ってきました。

 

羽田空港はすでに便数は少ないものの、お台場と横浜への定期便を開設しています。

出所:日本空港ビルデングHP

今は交通の為と言うよりは、観光の側面の強い船便ですが、今後は交通輸送の為の航路にアップグレードさせたいと日本空港ビルデング社(羽田空港)としてはお考えです。

そして、年間3000万人以上が訪れ、羽田空港勤務者も多い浦安にはなぜ航路を考えないのですか?、との問いに対しては意外な返答が返ってきました。

「浦安市がお話にのってくれなくて・・」

浦安市に話を持っていったことがあるものの、うまく行かなかったという返事でした。

これがいつのタイミングだったのかは聞けなかったのですが、おそらく数年前のお話ではないかと思います。

羽田空港側は今でも浦安市との航路開設には前向きです。海の使用に関しても、関係者との調整は終わり、後は臨海地区の受入れ側との調整です。

浦安市の協力が得られないから、千葉みなととの船便で調整しているとのことでした。

また、千葉市に一歩リードされてしまうのは浦安市としては看過するわけにはいきません。

浦安市庁舎に新たにオリパラ対策の部署が新設されました。その目玉成果として、例えば羽田空港と境川河口との定期航路を開設し、波止場周りの準工業地域指定の空き地を客船ターミナルおよび地域の賑わい施設にしてはどうでしょうか。

浦安魚市場の老朽化問題の解決に使うこともできますし、河口の水門設置と一緒にやることで国家予算を引っ張ったり、PFIによる民間資金での建設も十分に可能かと思います。

そして何より災害時に簡単に孤立してしまう浦安市の弱点を、この船便開設と、船着き場の整備により迅速に解決にすることができます。

浦安側の意思で実現可能な話だと言う印象を受けましたので、是非オリパラも含めた視点で前向きなご検討をして頂くと良いのではないかと考えています。

京葉線からりんかい線への直通運転、そして羽田空港までの延伸の要請を浦安市としては検討されていますが、実はそこには大きなデメリットが発生するリスクもあるのではないかと考えています。

新浦安から向かい新木場で下車する人は約70%、その中で有楽町線に乗る人が40%、りんかい線に乗る人は30%程度かと思います。

線路容量の問題から、これ以上の増便は京葉線は困難です。そうなるとりんかい線側からも京葉線に電車が入ってくるとなると、東京からの電車を間引きするしかなくなります。東京駅方面に勤める人の生活には大打撃です。

りんかい線はしょっちゅう狂う埼京線のダイヤの乱れの影響を受け、大幅に遅れることが日常茶飯事です。これが京葉線に直通運転をすると、京葉線にも響いてしまいます。朝の大変な時間に電車がこない、大混雑、と言うことが頻繁に発生するでしょう。

また、りんかい線ユーザーの方も新木場で今まで必ず座れたものが座れなくなります。上野東京ラインの開業でまさに同じことで多数のクレームが出たことは有名な話です。(上野東京ラインは並行する山手線と京浜東北線の混雑が半端なかったので、JRとしてはやるしかなかったのですが)

京葉線のりんかい線への直通問題は、複々線化とセットでなければ大きなデメリットを抱えるリスクがあると考えています。

複々線化となると膨大な費用が発生する為、実現は遠のきます。

ですから、まずは船便で安く羽田空港とつなぎ、旅行客、そして羽田空港勤務者の足として活躍させるべきではないかと考える次第です。