身体には良くないよ、と言われても、コーラ好きがどうしてもやめることができないのがコカ・コーラ。今回はそのコーラの魅力について考えてみました。




有名な話ですが、コカ・コーラシロップはもともと薬剤師によって薬として開発されました。咳止め、頭痛の薬でした。

そしてこの薬の原液に炭酸と砂糖を入れて販売したところ、大ヒットしました。以来、ニューコーク事件の起きたほんの数ヶ月の期間を除きコカ・コーラの味は100年以上の間、今に至るまでその味は大切に守られています。レシピも20年で効力が消える特許は敢えて取得せず、秘伝の味として銀行の保管庫の中に保管されています。

ちなみに、コカ・コーラのコカは、麻薬であるコカインでした。コカインとは言っても微量で味には影響を与えるものではなく、また、すでにコカインが麻薬として禁止されてからは、カフェインに切り替わっています。さて、そんなコカ・コーラですが、飲み方の人気には順位があるようです。

4位:  大型容器のペットボトルコーラ

3位: 500ミリ以下のペットボトルコーラ

2位: 缶コーラ

1位: 瓶コーラ

確かに高級レストランでコーラを注文した時は高い確率で瓶のコーラと氷入りのグラスを持ってきますね。

なぜ多くの人が瓶のコーラにおいしさを感じるのか、そのメカニズムについて考えてみました。
まず中身が違うのか?ですが、以前、お客さまセンターに問い合わせをしたことがあります。

回答は・・

「中身は全て同じです」

ということでした。しかし、消費者が感じる味は何かが違います。

なぜだ?ということで、仮説を考えてみました。

以降単なる仮説であることにはご留意ください。



大型ペットボトルと小型ペットボトルの違いについて

これはやはり炭酸量の違いでしょう。

気体が液体に溶ける量は温度で決まります。温度が高いと気体の運動量も増え、どんどん外に逃げていってしまいます。

大型のペットボトルは表面積が大きいため、小型のペットボトルよりも熱が伝わりやすく温度が上がりやすく、かつ水面の面積も大きいためキャップを開けるたびにどんどん炭酸が逃げていきます。

したがって小型のペットボトルのほうが美味しく感じます。

続きまして缶コーラとの差です。

アルミまたは鉄の缶は、プラスチックに比べて遥かに熱伝導率が高いです。

したがって同じタイミングで冷蔵庫に入れても缶のほうが遥かに早く冷たくなります。

もちろん長時間冷蔵庫に入れておけば、最後は必ず冷蔵庫の温度になるわけですが、コンビニなど在庫回転の早いところで買った場合は、缶の方が十分に冷えている確率は高いわけです。それがまず一つ目の要因でしょう。

しかし、長時間冷蔵庫に入っていれば、物理的には同じ温度のはずです。にもかかわらず、缶が美味しく感じるのはなぜでしょう。
そこで物理的に考えてみます。缶のほうが熱伝導率が高いため、中身のコーラが同じ温度でも缶のほうが握った時に冷たいと感じます。そして脳はこちらの方が冷たいんだと思い込みをおこし、結果として缶のほうが美味しいと錯覚するのではないでしょうか。

また、蓋の閉められるペットボトルと違って缶は飲み切らないとこぼれるため、早く飲むインセンティブが働きます。したがって冷たく、美味しいうちに飲めるのです。

最後に缶 vs 瓶 の検証です

瓶、ガラスの熱伝導率は実は大変低く、ペットボトルとほとんど変わりません。しかし、瓶が一番おいしく感じるのはなぜでしょうか?

物理的要因では説明がつきませんでした。しかし仮説にたどり着くヒントになったのがワインのお話でした。ワインですが、一般の人が飲み比べている時、容器や見た目が大きく影響を与えているそうです。ある実験では、目隠しをして高級ワインと格安ワインを飲ませてみても、ほとんどの人がどちらが高級なのか気付かなかったそうです。正月にもよくその番組をやってますね。

人はそれほど見た目に影響を受けるということです。まさにメラビアンの法則です。

コカ・コーラは長い歴史の中で「瓶で飲むのがコカ・コーラ」と人々は記憶し、それが一番格式ある飲み方であると思い込んでいます。

したがって、瓶に入っているコーラを見ると、ベストな方法で提供されたとお客さまも思い、一番美味しいと錯覚するのだと考えられます。

コーラにもダイエットコーラやゼロコーラなどいろいろなバリュエーションがありますが、最大のヒット作はゼロ・コーラでした。確かに味がコーラに最も近いといういうのも理由ですが、ロゴがオリジナルのコーラの黒赤を逆転させただけでもっとも近い、というの成功要因の一つかもしれません。

商品の価値、特に感情価値には見た目は大変大きな影響を与えます。お客さまに対して自社の商品をどのように見せるのか?中身がたとえ同じでも、その見せ方、プレゼンテーションのやり方で売り上げは大きく変わることを意識することがマーケティング上もとても大切だと言えます。

マーケティングの神企業と言われるコカコーラ社やP&Gの取り組みからは色々なことを学ぶことができます。