今や世界の時価総額のかなりの部分を創造するシリコンバレーの急激な成長を牽引するスタンフォード大学の教授の講義を受ける機会があり、シリコンバレーから見た日本の見え方について意見を聞いて来ました。

 

スタンフォード大学は今や世界の天才が集まり、入学願書倍率もとんでもない事になっています。もちろん物価も日本の約2倍です。

スタンフォード大学ビジネススクールの中にあるモニュメントです。

ナイキ創業者のフィリップスナイトの言葉が彫られています。

「見知らぬ事に遭遇した時に、自分が知っている事だけをやり続ける人と、果敢にも未知の世界に突き進む人がいる。

どちらが正しいのかは分からないが、見知らぬ事に一歩踏み出していくことの方が何倍も楽しい!」

とイノベーションへの挑戦を語っています。

枠から一歩はみ出した足跡が、それを象徴しています。

こんな晴天が年間を通じて続く中、学生は勉強に励みます。

スタンフォード大学の学生は良くダック、と比喩されます。水面の上では穏やかな顔をしながら水面下では必死に足を漕いでいるように、スタンフォード大学ではめちゃくちゃ勉強しないと落第します。

そして、スタンフォードが大切にする価値観があります。

生活を変えよう

組織を変えよう

そして、世界を変えよう

シリコンバレーに生きる人達、特に若い20〜30代のスタートアップ創業者は、自分達の力で本気で世界を変えようとイノベーションに挑戦しています。

今は日本の企業がこぞってシリコンバレーに憧れ、Googleが創業したシェアオフィスであるPlag and Playには沢山の日本企業の駐在員が派遣されています。

しかしながら、残念ながら、シリコンバレーからは日本企業は少々冷ややかな目で見られているようです。これは日本特有の大企業や行政にありがちな課題そのものでした。

シリコンバレーから見た日本の印象は以下の通りです。

1.リスク評価ばかりでスピードが遅い

過去データを集めてできない理由ばかり考える。

シリコンバレーの基本的なスピード感は今作って来月リリースする。

新規事業にデータはない。データのないもののリスク評価や予測を作るのは無駄。やってみて、ユーザー評価に基づいて改善することが必要

考えて分かることや試算できることはもう誰かがやっていて遅い。まず行動してからPDCAを回すのがシリコンバレーのやり方

2.現地に任せない

いちいち本社に聞く。これは現地駐在員は信頼を失う行為。シリコンバレーでは意思決定しないミーティングはない。

現地駐在員に意思決定させないなら、コンサル雇えば十分で駐在員は要らない

3.経営者がリスクを避け、意思決定を避けすぎ

イノベーションに関わる仕事は不確実性ばかり。データがあり確実なことに意思決定は必要ない。誰でもできる

承認が欲しい時は不確実性が低いこと、リスクがないことを示せ、というのはあまりにも意味がない

決裁をして仮に失敗した時は、撤退するのも遅い。シリコンバレーでは失敗は成功への過程であり、むしろ評価される。失敗は前向きに許容して、諦めることも必要

駐在員が自分で判断できないなら、判断できる意思決定力の高い人間を招き、権限を与えるべき

4.組織内担当者がイノベーションを担当し、イノベーションの芽を潰す

大組織は守るものばかり。そのためリスク排除ばかりに意識が向く

創造する仕事はリスク排除ではなく、リスクをとって、そのリスクをマネジメントすること

5.シリコンバレーの人間関係への理解の低さ

シリコンバレーはドライではなく、むしろ信頼ベースの社会。日本企業は人事ローテーションで信頼関係を自ら壊す

表敬訪問と観光訪問が多すぎる。意味のない会議にはシリコンバレーのスタートアップ(ベンチャー企業のこと)は、例え相手が日本の大企業でも平気でパスする

シリコンバレーではスタートアップがキャリアの頂点という意識。日本企業や日本の行政は上から目線すぎ

今や世界の時価総額を牽引するのは30〜40代の若手実業家。これから日本も必ずそうなっていく。

ギブアンドテイクの精神が日本企業には少ない。テイクばかりしようとする。

日本文化は「No because」で、出る杭を打つ批判ばかり。シリコンバレーは「Yes and」でポジティブ意見で必ず上乗せして返す精神。だからチームで素晴らしいイノベーションを実現できる

 

冷静にこれらを見てみると、日本企業のみならず日本の行政や浦安にも当てはまるとも感じました。

イノベーションや変革はまだまだ遠い日本。このままでは、日本の経済や地域は世界の中でどんどんおいてけぼりになってしまいます。

アメリカやシリコンバレーが全てだとは思いませんが、少なくとも彼らの言語を理解し、エコシステムを理解した上で、今の行政運営の戦略設計をすべきではないでしょうか。

浦安市でも、例えば三番瀬の施設はベンチ、見晴台、倉庫というイノベーション度ゼロの建物になってしまうようです。オリンピックというイベントのチャンス、ホテル増加に伴う交流人口増加のチャンスを全くレバレッジしない現状ですが、もしこれがシリコンバレーのような発想であったならば、どんなイノベーションが起こるのでしょうか。

三番瀬の件は些細なケーススタディだとして、日本にも世界を牽引出来るような経済のエコシステムをどう作れば良いのかを議論し、検討し、実行しなくて良いのでしょうか。千葉市では特区を活用したイノベーションを推進する姿勢が見られていますが浦安市ではどんなイノベーション推進が計画されているのでしょうか。

アマゾン市川物流センターや各社の倉庫群は海を挟んで目の前です。ドローンでのラストワンマイルデリバリーの実証実験にはもってこいの立地です。クロネコヤマトの再配達の負荷問題で誰もが認識したように、「ラストワンマイルデリバリー」の社会コストは、経済の不活性につながります。イノベーションでゲームチェンジする必要があります。それに対して浦安市は貢献できるチャンスがあるわけです。

スイスでは、シリコンバレーのMatternetという会社がドローンで医療品を運ぶ実用運用を始めました。山が多いスイスでは、災害時の医療運搬が致命的だからです。何度かこの会社の経営陣にも会いましたが、自分達の技術で世界を救うんだ!と本気で信じて、倉庫のようなオフィスで開発と事業化を頑張っています。

浦安市も災害で簡単に交通が麻痺する地理です。それを踏まえて、イノベーションの活用を考えなくていいのでしょうか。

Change the world, from Urayasu

ただの夢にはしたくはありません。

簡単な話ではありませんが、一歩踏み出さない限りは前に進みません。その最初の一歩をいつ、誰が作るのかがめちゃくちゃ重要です。

シリコンバレーを代表する企業であるアップルやSAPでも活躍されているスタンフォード大学の「デザイン思考」スクールの教えについてはこちらの本に簡潔にまとめられています。

 

デザイン思考の入門編としてご紹介したい本です。

また、本についてもこれからの時代は端末に入れて持ち歩くべきでしょう。何冊もの本をiPhoneのキンドルアプリで持ち歩くことで、ほんの数分の待ち時間や電車移動も全て自己の知識と能力を高める時間に変えることができます。

Kindleは本当におすすめです。もう本は紙で持つ時代ではないかもしれません。シリコンバレーでは新聞も紙で読む人はほとんどいなくなりました。全てウェブでの購読です。

KindleはiPhoneにもアプリとして、もちろん無料でインストール可能です。(なお、ここだけは不便なのですが、アップルへのライセンス料発生の関係でiPhoneのKindleアプリから直接本を買うことができません。上記のアマゾンサイトから購入すると、アプリへのダウンロードが開始される仕組みです)