浦安市でも単なる業務委託の指定管理者制度から、事業リスクの移管も含めた本格的な公共施設の民営化が一部の分野で始められようとしています。

公共施設の民営化にもいくつかの方式がありますし、その効果の度合いもスキーム次第で様々ですが、残念ながら誤解による「民営化=悪いこと」という論調が存在しているように感じます。

例えば、北海道では国鉄の民営化により廃線が加速した箇所もあり、現在進行形の北海道7空港の同時民営化案について、地元から慎重な声も聞かれます。

しかしながら、道内の鉄道については廃線になった路線はありますが当然代替のバス路線が設定されており、むしろ運行コストの低減により多頻度運航にになる地域も少なくありません。

これから起こる空港民営化についても、実際には歓迎する声が大多数であり、北海道空港株式会社(千歳空港オペレーター、通称HKK)を核とした民間連合による入札の準備が進められています。HKKを代表企業として、三菱地所、東急電鉄、JAL、ANAと言った名だたる大企業がコンソーシアム(企業連合)に名前を連ねます。しかし、こうやって沢山の大企業を巻き込むことで各社の持分を下げることで、地元の雄であるHKKが本丸を取るという作戦でしょう。

すでにHKKにより新千歳空港は温泉あり、映画館ありという素晴らしい空港に進化しています。HKKが無事に運営権を取得すれば、このノウハウが北海道中に広がることとなり、北海道はさらに活性化することでしょう。

福岡空港は先んじてすでに民営化が確定し、福岡空港ターミナル会社、西鉄、九州電力を核として、三菱商事、チャンギ空港会社も巻き込んだ企業連合(正確には新設JV)が、空港の運営権を取得しています。

こちらも地元企業だけで過半数を維持し、地元民間企業による地元公的施設の民営化が始まろうとしています。

よくある誤解による主張として、「民営化すると、コスト削減のために人件費が削られ、雇用が守られなくなり、儲からない公共サービスは切られる」と言ったものがあります。しかしこれは民営化のあらゆるパターンのうち、ほんの一握りのダメなケースだけを見ている事例です。

実際の民営化案件では、制度設計を行政側が頭を使ってしっかり作り込むことで、むしろその逆の素晴らしい社会的効果をもたらしていることを私達は注目すべきです。

税金運営の場合は、使い切らなければ次年度の予算確保が難しくなり、コスト削減のインセンティブがわきづらくなります。また、予算増額も至難の技です。つまり雇用の創出にはつながりません。

一方で、民営化された運営の場合は、営利事業となりますので利益を上げるための弛まぬ企業努力をするようになります。

曲解を主張される方達はここで「サービス悪化、雇用が守られなくなる、賃金が下げられる」と仰られるわけですが、実際には経営努力をする民間企業による民営化事業は、むしろ雇用を生むことにつながります。

例えば完全なる民間企業であるディズニーリゾートで、サービスが悪い、民間運営だからコストばかり削られて雇用が減った、という話は聞いたことがありません。

廃線になりそうであった丹後鉄道では、ウィラー による民営化の効果により新たなバス連携の需要創出や地域活性化効果が見られます。

空港の民営化はいま日本でもっとも話題になっている分野ですが、国の運営のままでは行われなかったターミナルの拡大や商業施設の誘致が盛んに行われています。正規社員が非正規化するという懸念は1ミリもなく、むしろ人が取れなくて困っている、という状態です。

税金運営では見逃されてきた無駄なコストが民営化によって見直され、新たなキャッシュフローがうまれます。

新たなキャッシュフローが確保できれば、新規事業への投資の余力が生まれます。また、サービス競争に置かれた民間事業者の努力により、サービスクオリティの強化にもつながります。

これらの好循環により新しい顧客がふえたり、事業拡大やサービス向上への原資が生まれるようになります。民営化は、それまでドブに捨てるようなお金の使い方を民間のノウハウで節約し、社員のため、お客様のため、地域のための成長投資に回すことが趣旨であることをまずは念頭に置くべきだと思います。

公設民営の施設(保育園など)で、よく上記のような曲解の論調を聞くことがありますが、それは民営化はスキーム次第で結論は大きく変わること、むしろ良い結果を導くような設計ができることを知らないことに依るものだと思います。空港の民営化においても、施設の所有権は国が所有し続け、例えば雇用を守ると言ったような重要事項は入札時に契約で約束をしておき、それを守らないときはすぐに運営権を取り返せる仕組みになっています。ちゃんと公共の利益を守るプロテクションの仕組みは入っているわけです。

浦安市でも、公共施設の民営化推進やPFIの活用により、地域の活性化、地域の利便性向上、雇用の創出など「(行政、民間事業者、市民の)三方良し」が実現できるはずです。

「日の出」違いですが、東京の日の出埠頭でも野村不動産という民間による公共の港の整備が決定されました。

(出所:日本経済新聞)

世の中の流れは民営化、PFIを活用した地域活性化の推進なのです。東京日の出港の様子を見ると、我が街浦安の境川河口でも、と誰もが思うでしょう。

市民の代表たる浦安市議会でも、民営化の推進を検討されている浦安市行政の方々を支援するために、ぜひ建設的な議論を積み上げて頂き、これまでにない素晴らしい浦安市を創って頂きたいと願っています。市民としても、これまでにない官民連携の浦安市によるポテンシャルの模索をサポートしていきたいところです。

最初は小型施設の箱物から始め、できればオリンピック前に総合公園のPFIによる大改革などにつながったらと思うと、夢は広がります。