観光マーケティング

以前「観光マーケティング入門」という本を読みました。入門編なので数時間もあれば読める本ですが、浦安の観光活性化についてあらためて考えてみました。



浦安の観光活性化を考えるうえで参考になった事例が記載されていました。

モルジブではハネムーンとダイビングを観光の売り(USP: unique selling points)として売り込むことにした。成功するかに見えたこの地域プロモーション施策は大失敗した。実は、ハネムーンの人からの大クレームが多数来てしまったのだった。1番ハネムーン客が多い6月は台風でほとんど外に出られないこと。また、ダイバー達は大騒ぎをする傾向にあり、ハネムーンの雰囲気を壊してしまい、そこでケンカも起きてしまった。ニーズが違いすぎる2つのセグメントを対象にしたが故に起きた失敗だった。戦略ミス、だった。

観光による活性化をするためには、地域全体で観光ブランドアイデンティティを構築する必要があります。

グルメで売り出している街なのに、もしそこに住む住民が観光に対する共通認識がなく、「隣町の方が食事は美味しいよ」などと観光客に話してしまっては元も子もありません。観光活性化のためには地域全体でコンセンサスをつくり、それを地域全体で育て、発信していくことが必要であると言えます。

 

浦安にあてはめて浦安の価値向上について考える

では浦安の地域の価値創造はどうでしょうか。

果たして地域内で浦安ブランドの提供価値の概念は共有されているのでしょうか。まだまだ、浦安のあるべき、またはこうありたいというブランド像やそのバリューはすでに枠組みが整理されているようには見えていません。

浦安=ディズニーだけ、のままではとても勿体ないように思います。

浦安は、ディズニーも、古き良き日本も、オーシャンリゾートもある世界屈指の観光デスティネーション「Urayasu」を目指すことができる街だと思います。

例えば、イギリスの「old meets new」、といったような観光活性化の取り組みを参考に、浦安全体で連携し、オーシャンリゾートの新浦安と、古き良き日本の浦安が一つになって地域のバリュー構築に取り組めないものでしょうか。

こんなにコンパクトなエリアの中に、このようなバラエティ溢れる観光資源がある街は他にありません。

浦安はこの価値をもっと活用すべきでしょう。

シティプロモーションとは、本来こうした価値をまずは市民に共有し、共感してもらい、地域の人たちが自らそのアイデンティティを発信することに本質的意義があります。

是非新しい市政の中で、このような新しい浦安のアイデンティティの定義と、市民との共感を構築できたらと思います。

市民の共感を得るためには、市民参加型で透明性のある議論の場を経て浦安のアイデンティティを作るプロセスが必要かもしれません。

今は新しい市政が始まるとても貴重なタイミングです。私達の大好きな浦安のさらなる発展につながる大きなうねりができていけばと願っています。