最新装備の世界最強の米軍部隊が、なぜ、寄せ集めのイラクのアルカイダに苦戦したのか?
このようなキャッチーなフレーズの本「チーム・オブ・チーム」という本をご紹介したいと思います。

これからの時代の中で勝ち残るために理解しておくべきこと、それを組織論に落とし込んだ場合の良い提言が纏められた本で、なかなか興味深い読み物でした。

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この本の著者が司令官として率いたアメリカ軍の特殊部隊は、イラクで大きな苦戦を強いられました。しかし、それは敵が一流の組織であるため、米軍の力が劣っていたからではありません。

イラクのアルカイダはたいていは訓練不足であり、装備も貧弱でした。しかし、そこに組織の柔軟性や復元性を持つことで、米軍をも苦しめる存在になったわけです。

米軍の組織運営と、アルカイダの組織運営の違いがこの情報社会への適応力の違いを生み、それが戦力にまで大きな影響を与えてしまったという事例を分析しています。

本書は、企業や市役所などのいわゆる上意下達型が多い組織に対して、新たな適応の必要性があり、それにいかにアプローチしていくかの要項をまとめたものです。

筆者は元軍人ではありますが、現在は大学におけるリーダーシップ論の教授であり、戦争におけるシーンのみならず、航空機事故の分析や病院内でのスーパードクターの事例なども交えながらこれからの時代に必要な組織論とリーダーの役割を説いています。

企業のマネジメント層や、行政の首長、幹部の方々のようなリーダー層には是非おすすめしたい本であります。