このところ日本の各地で頻発する自然災害を見ると、もはや日本のどこにいてもそのリスクはありえることを認識していかなければならないという教訓となります。

浦安についても、特に昨今のゲリラ豪雨と台風の高潮のリスクは、目の前にある対処すべし課題とも言えます。

特に元町地域では、洪水により最大2.8メートルの浸水もあり得るという市の認識もあり、緊急的に対応策を検討する必要があります。

特に高いリスクがあるのは地震の津波よりも、やはり頻発する台風やゲリラ豪雨でしょう。

 

 

特に先日の台風では低気圧の影響で潮位が高くなり、5.2メートルの護岸が乗り越えられてしまう事案が発生しました。

三番瀬側の護岸は東京湾に面した明海日の出護岸よりも明らかに低く、薄く、古く、耐久力が低いことは現場を見れば自明です。ところどころクラックも発生しています。

実際に浦安市としても、過去の議会にて、「三番瀬護岸が高潮に十分な機能を持っているかは要検証」との認識を示しています。

なぜ、こんな現状になっているのでしょうか。

 

三番瀬の護岸の経緯から考える

今でこそ市民の憩いの場でもある三番瀬ですが、その歴史を紐解いて行くと、見えてくる事実があります。

もともと千葉県は三井不動産とも連携し、土地を造成しては売却し、その資金でまた土地を作り、、というエコシステムをつくることで、経済発展を遂げてきました。浦安も漏れずにその一連の流れの中で新たな土地が造成されてきました。

そして三番瀬はもともとこの計画の中で埋めたてられる予定でありました。

つまり、今の三番瀬の護岸はいま第二湾岸用地の中にあるように不要の構造物になる運命と想定されていたため、なるべく簡易に造られたものであると推察されます。

しかし、途中で三番瀬の埋立計画は白紙撤回されたため、護岸のみは十分な機能を持たないまま、今日に至るものと思われます。

 

高潮のリスクは如何ほどか?

想定外の高潮発生時のリスクについては、まだ十分な検証は行われていません。

しかし、昨今の事例から類推するに、三番瀬の護岸を海水が乗り越えてくる可能性は否定はできません。

浦安市の地理の特徴として、新町の海側、新町北側、中町、元町に向かうにつれて標高が下がって行きます。

つまり三番瀬側で護岸を乗り越えるような高潮が発生した場合、さらに、その水は新町側から中町元町方面に流れて行く可能性があります。これは内水氾濫と同じような状況になるリスクに繋がるかもしれません。

一日も早く、対抗策を取り、絶対に超えられない、破壊されない強度を持った護岸への改修が求められます。

 

千葉県が調査を開始という期待

そんな中で希望の光が見えてきました。

これまで動きのなかった管理者である千葉県ですが、昨今の異常気象を踏まえ、国の指針に基づき、三番瀬護岸の防災インフラとしての機能を再点検し、必要な補修を行う方向性が見えてきました。

内田市長=千葉県の自民党の結束力による効果かもしれません。

浦安市でも各種の打ち手が施されています。以下、広報浦安より。

商業施設開業やオリンピック景気と言ったような華やかな出来事も地域の発展には大切ですが、それ以前に安全安心に暮らせることが担保されての毎日の生活です。

一日も早い三番瀬高潮対策が施されることが望まれます。そして、浦安市でも主管行政である県に依頼するのみならず、公園内に沿岸の市管理の土地に、第二の防潮堤を築くなど、市として自ら取れる打ち手もぜひご検討頂きたいところです。

海が見える防潮堤という技術も開発されており、三番瀬の遊歩道にはもってこいのインフラではないでしょうか。