釧路のフィッシャーマンズワーフ施設とは

以前、冬場ではありますが釧路の街を観光視察の目的で訪問したことがあります。

釧路駅からほど近い場所にフィッシャーマンズワーフと名付けられた施設があります。

「釧路フィッシャーマンズワーフMOO」は、釧路市にある複合商業施設で、名前はサンフランシスコのフィッシャーマンズワーフに由来し、MOOはMarine Our Oasisを表しているそうです。

5階建ての商業施設と、その横に温帯植物園が併設されています。かなり気合の入った強化な建物で、バブル時代の建造物そのものです。

1989年に西武の協力のもとで開業した本物件ですが、その後バブル崩壊の影響により本州資本の店舗が全て撤退しました。

しかし、その後の市が自らの行政施設を転居させたり、テナント誘致のための努力により2008年には再びテナント入居100%となります。 東関東大震災の津波の影響を受け、休業を余儀なくされましたが、1ヶ月後に完全復旧を果たしました。

現在のテナントは以下のような状態です。残念ながら空きスペースがあり、大盛況とはいえないですが、「健闘」というイメージでしょうか。

建物の裏には川が流れ、美しい夜景が楽しむことができます。 この景色は実に素晴らしく、暖色系のランプ灯のような街灯の光が、川と橋を優しく包む様子が見る人の心を掴みます。

 この施設を見て、浦安の観光活性化の在り方に関する様々な示唆があると感じました。

 

釧路フィッシャーマンズワーフから考える浦安観光活性化の在り方

まず、この釧路フィッシャーマンズワーフの位置関係を見て頂きたいと思います。

どことなく、浦安の高洲の境川河口の位置関係と似ているように見えます。 浦安の境川にかかる橋から見る東京湾はとても綺麗で、多くの市民の方々も良く景色を見に橋まで散歩に行かれます。

しかし、これまでこの橋自体を見たいと思ったことはありませんでした。見るのは海で、橋はただの交通有益な橋でしかないからです。

しかし、釧路の川にかかる橋は、夜の灯りに照らされとても美しかったのですが、よくよく見るとレトロなレンガ作りとかではなく、普通の橋でした。光とペイントの色で綺麗に見えているのでした。

浦安の境川の橋についても、気合いを入れて観光活用しようと思えば、この釧路に負けないくらい美しい夜景を演出することは可能だと思います。

さらに作り変えなくてもこのような演出は可能なわけで、コストもさほどかからずに実現可能です。

近隣にこれだけホテルができている今、東京湾と境川と美しい橋を、浦安の観光スポット化する努力をしても無駄にはならないでしょう。

周辺のホテル宿泊客が記念写真を撮りに行きたくなるような、絶景スポットにしても良いはずです。 市内の観光スポットの増加により宿泊客の滞在日数が半日でも一日でも伸びれば、浦安市内のGDPは増大し、浦安経済の活性化につながります。

しかしながら、さすがに綺麗な景色だけで人々をもう一泊させるのは厳しいでしょう。 そこで、論点となるとのは境川河口にある準工業に定められた空き地の活用です。

 

境川河口の船着場は積極的に商用活用すべき!

ここを集客力の高い商業施設を誘致し、さらに隣接する港湾施設部分に羽田、品川までの船便を設置する、というのがかねてより考えられていたプランです。日経新聞にも載せたアイデアなので、ご存知の方も多いでしょう。

出所:日本経済新聞社2011年記事より

ただ、商業施設の経営というものは簡単ではありません。

テーマパーク経営とも類似性がありますが、箱物ビジネスは中途半端なものを作ってしまうと、金ばかりがかかって、テナントが埋まらないという事態に陥ってしまいます。

今、頭を使って考えるべきは、地域の付加価値が上がるように、今までにない付加価値のある商業施設が浦安に導入されるよう働きかけることです。

もしくはこれまでの施設をアップグレードし、付加価値をあげて導入することです。

大和ハウス商業施設はその辺りを良く理解したテナント誘致を考えているのでしょう。

ベンツ、テニススクール、フィットネス。これまで日の出地域になかった施設ですし、ベストスタイルフィットネスさんの人気はなかなかなものです。

海側の商業活性化の実現のためには、いくつかの前提が満たされることが必要です。

その前提というのが、羽田や品川と結ぶ船便のターミナルとすること、そして元町、中町、新浦安、境川河口を結ぶ交通の設置です。

交通インフラを強化し、交流人口を増やしてなければ、バブルの建物のようにシャッター通りがもう一つできてしまうかもしれません。

街づくりはいくつものプロジェクトを同時進行で進めなければうまくは行きません。過去の私鉄民鉄は、阪急電鉄を皮切りに、まさにこのモデルで地域活性をしてきました。

浦安の最後の未開発地域である高洲の空き地は、浦安の中長期的発展に資する活用をしていただきたいものです。

老朽化した元町の魚市場の移転先として、「フィッシャーマンズワーフ」というコンセプトで、この地で新たにより付加価値を高めた魚市場をつくり、さらにそこから船便が羽田や千葉、東京に出向し、さらには夜景ナイトサファリ船が出向するような活性化に活性できる有望な場所です。

森田知事の発言によると、千葉の実証運航では人気のナイトサファリクルーズでは89%もの搭乗率だったそうです。

さらに、現在の市場がある場所は、元町の再開発のきっかけに活用できます。もし実現できれば、複雑なパズルがピタリとはまる可能性があります。

高洲の三菱地所の低層マンションの道路側は商業地域として残されているようですから、ここにできるかもしれない商業施設との連携も図ることができます。

また、堅牢な商業施設ができた場合は、災害時の避難場所や復興拠点としても機能します。

釧路フィッシャーマンズワーフも、まさに津波の避難場所として機能しています。裏には三菱地所の低層マンションができるわけで、このような防災機能の強化も不可欠です。

そして船ターミナルがあれば、災害時にも迅速に人と物資を運ぶことができます。

高洲の境川の河口については、

・浦安魚市場の新設

・堅牢な建物として平時にはレストランや買物の拠点として活用し、非常時には周辺住民の避難場所とする

・元町、新浦安とのラピッドバス便を設置する

・千葉市のように建物内に船のオペレーション現場を入居させて、羽田や東京と船便を開設

・夜は浦安の夜景を見れるはナイトサファリクルーズを運航

・災害時はこの波止場を物資や人の輸送拠点に活用

といった活用をぜひご検討頂きたいと考えています。