(以下は過去時点における記事です。当物件は、スターツが購入したことが判明しています)

ドンキホーテの店舗運営戦略

激安の殿堂で知られるドンキホーテ。過去は地域住民ともいざこざを起こすことがありました。

例えば六本木ヒルズから見えるドンキホーテでも問題が起きていました。




六本木店屋上において2005年12月21日に営業開始を予定していた「ハーフパイプ」というタイプの絶叫マシンが建設されていました。ヒルズからも黄色いU字のレールが目立ってみえていました。しかし、地元住民への説明不足(と住民側は主張)や振動並びに騒音の問題により、近隣住民や地元商店街から猛烈な反対運動が起きたのです。

結局営業中止を発表しましたが、営業中止を決めただけで解体は行われずドン・キホーテ側の担当者はマスコミの取材に対し「一部団体からの批難がうるさいからだ」と主張しました。

と、まあこんなことを行ってきたドンキホーテで、初めは確かに近隣トラブルを起こす存在であったかもしれません。しかし、小売という事業をやるからには地域との共生は不可欠だということに徐々に気づき、方向転換を図ってきたようです。

この数年間のドンキホーテのPLを見ると以下のようになり、利益は確実に成長をしています。利幅の薄い小売業でこれだけの成長をすることは凄いことです。






この結果に対して、ドンキホーテはこのように説明をしています。

「リテール事業における売上高は4,037億16百万円、営業利益は143億21百万円となりました。

主力業態ドン・キホーテは、消費環境を反映して食品や日用雑貨品などが販売シェアを拡大しており、インバウンド消費は消耗品ニーズが継続して客数増を獲得するなど、既存店売上高成長率は2.1%増と好調に推移しました。

ファミリー向け業態のMEGAドン・キホーテ及びNew MEGAドン・キホーテについては、地域密着型の商品構成や価格設定、サービス対応が、顧客リピート率を高めて、食品や日用消耗品などの生活必需品の販売が牽引しました。」

ドンキホーテの成長の本源としてファミリー層による地域リピーターの利用があげられており、今後はかつてのような「暴れん坊」のドンキホーテになることはないでしょう。



新浦安にドンキホーテが来るとしたら

ドンキホーテは居抜きで店舗を取得し、コストを徹底し抑えた新規出店を得意としています。

最近のドンキホーテの出店戦略は、かつての若者たむろ場所のドンキホーテではなく、地域にとって安くて良いものを提供する店舗展開の可能性も十分にありえるでしょう。

メガドンキホーテとは、単にドンキホーテを大きくしているだけではありません。
ドンキホーテと言えば、店内中に陳列された商品が特徴的な店ですが、MEGAドンキホーテは、商品の陳列にも余裕をもたせています。普通のデパートのように、ゆったりと商品を見ることが出来るように、狭い通路は作らず、家族つれでもゆっくり商品を見て回ることが出来るように陳列されています。
そして、ドンキホーテと最も違う点は、生鮮食品が売られているというところ。ドンキホーテではお菓子や調味料、加工食品などは販売されていても、野菜や果物、肉や魚と言った生鮮食品は販売されていなません。しかし、MEGAドンキホーテではスーパーに買い物に行くのと、同じ感覚で生鮮食品を購入できます。そして、もちろん価格の安さは生鮮食品についても変わりません。

今日の食材を買いに来ると同時に、安い日用品も買うことが出来るようになります。お客さんの中には平日はスーパーとして、休日はディスカウントストアとして使いわけを楽しんでいる方もいます。




新浦安では、建物のサイズから考えても普通のドンキホーテというよりはメガドンキホーテ、もしくは白金のようなプラチナドンキホーテの可能性もありす。

プラチナドンキホーテは一見普通のドンキホーテですが、じっくり見てみるとこれまでのドンキにはない商品も並んでいます。

海外ブランドのキッチン雑貨や1枚4,000円の高級バスタオルをはじめ、野菜や肉などの生鮮食品、お弁当、総菜、珍しい調味料などが売られています。さらに三重県の松阪肉専門店「朝日屋」が出店し、様々な部位の牛肉がショーケースの中で売られています

仮にドンキホーテが新浦安に参入するとすれば、これだけファミリーだらけの街において、過去の悪いイメージの店舗展開をすることは絶対にあり得ないでしょう。

景観条例もあるので、店舗の外観にも気をつかうでしょう。

ドンキホーテの値段の安さは確かに立派な企業努力だと思います。消費者にも大きなメリットがあります。

うまく住民と調和をはかった新浦安への新規参入がなされれば、新浦安のさらなる発展につながる可能性もあるかもしれません。




さらに、最近のニュースで、宅配サービスも始めることが報道されています。半径三キロ以内とのことなので、新浦安には最適のサービスになる可能性があります。

果たしてどうなるのであろうか。今は待つしかありませんが、ドンキホーテさんが来ることになっても、市民としてはウェルカムになる可能性は十分にありえるかと思います。