長いあいだ市民や来訪者に活気と美味を提供し続けてきました浦安魚市場が、大変残念ながら閉鎖されることになりました。

すでに土地の売却先の優先交渉権者も確定し、最後の契約の調整が行われているようです。

 

浦安魚市場は小学生達の社会科見学でも人気の場所の一つですし、魚を食べに行くならここ!的な存在でした。

そんな市場の閉鎖には、時代の流れを感じます。

たしかにスーパーに行けば手軽に買うことができ、その意義は現代では薄れつつあるのかもしれません。しかしながら、ここにしかない風情や、人情的なものはお金では買えない付加価値でもあります。

複合的な商業施設にしなければなかなか採算は取れない時代にはなりましたが、なんとかこういった古き良き人々が集える場所は後世に残したいものです。

単純に魚や野菜を売るだけの市場だと、大手小売スーパーにはどうしても勝てません。

一方で、スーパーにはできないエンタメ性、観光側面を入れることで人々の誘致に成功している市場も日本中にあります。

代表格は競りを見せる築地です。

しかし、競りイベントがなくても、例えば釣堀を設置して新鮮な魚介類を釣って食すことができるようなアトラクションを導入する市場もあります。

水槽の周りには長蛇の列になります。

こういった観光施設を市内に設置することで、建設ラッシュとなっているホテルとも相乗効果がうまれ、市内GDPの増加に寄与する仕組みを構築することができるかもしれません。

総合公園内の空き地、境川河口の準工業地域、浦安ダイエー貸借地など、こういったプランを実現できる場所も浦安市にはまだまだあります。

いまの中長期的な都市のグランドデザインの選択によって10年後の浦安は大きく変わることを考えれぼ、今はとても重要な時期に来ていると言えます。

現魚市場の場所はどうなっていくのか?

さて、肝心の浦安魚市場の土地ですが、今後どうなるのかという点に関しては、現時点は未定です。

民間同士の取引のため、まずは価格最優先となることが濃厚です。行政の絡む案件であれば必ず「当地域の地域創生に資すること」と言ったような公共の利益を守るようなクローズが入るのですが、今回はそういうことはないでしょう。

ディベロッパーからすれば希少価値の高いまとまった土地のため、かなりの金額をはたいても手に入れたいはずです。

そうなると回収には容積率を最大限に活用したタワマン建設が濃厚ではないかと考えます。駅からも近いので、かなり人気の出る物件になることは間違いないでしょう。