昨年来より、東京ディズニーリゾート第三のパークについての報道があり、最近では空をテーマにした世界に一つだけのディズニーパーク(仮称)「東京ディズニースカイ」にする方向で米国ディズニー社とライセンス契約調整に入っているとの報道があります。

第三のパークが浦安市舞浜に出来た時には、浦安市にはどのような変化ができるのかについて考察してみたいと思います。

 

まず新パークの規模感ですが、想定投資額が3000億円と言われており、ディズニーシーやUSJの開業費用を上回る可能性があります。建設費の高騰の影響もありますが、既存のパークに劣らない規模感のパークになることでしょう。

ディズニー第三のパークの建設想定地区(赤枠)

最低の年間来場者数は初年度1500万人、その後は1000〜1200万人程度になると思われます。

現在ディズニーランドとディズニーシーあわせて3000万人超の年間来場者数ですが、カニバリもあるとは思いますが、ざっくり考えると3パーク体制になると、年間来場者数は、4000〜4500万人程度になることになります。

単純計算で一日約12万人がディズニーリゾートに滞在することになります。

浦安市の総人口の3分の2がオントップされることになります。

浦安市に与えるポジティブな影響

第三パークの開業によるポジティブな影響はなんといっても浦安市のブランド価値の向上と税収の増加です。

浦安市の税収はもちろん市民からの税収も市外の方が思う以上に多いのですが、やはりそうは言ってもオリエンタルランド社からの法人税と固定資産税、そして浦安市保有のオリエンタルランド社株式の配当と含み益も莫大なものとなっています。

これが1.5倍になるわけですから、浦安市が享受する増収効果は大変大きなものになるでしょう。

さらにディズニー需要をあてにした大規模ホテルが多数開業することからも、税収規模は大きく跳ね上がります。

従って、今後の市政を考える上では、これらの新たに生まれたキャッシフローをどのように浦安市の安定的成長につながるか?という経営戦略的な視点も必要になってくるように思います。

また、以下に記載するようなデメリットも発生します。これらの対策費として、税金を一定程度、投入していく必要性もあるでしょう。

浦安市に与えるネガティブな影響

すでに新しいホテルの開業により影響が出始めていますが、地域外の方々が道がわからずに交差点での事故などが増える懸念があります。特に信号がない交差点では事故の頻度が高まっており、早急な対策が必要です。

また、舞浜での乗降者数が1.5倍になります。ディズニーシーの時には、オリエンタルランド社も資金を拠出し、舞浜駅の改築と、首都高への直結出入口を整備しました。

それでも最近では週末は大渋滞ですし、また、武蔵野線を中心に舞浜までの上り列車も混雑がひどくなっています。

単純にパーク建設のみならず、さらなる交通インフラの強化を同時に進める必要があり、例えば新木場〜新浦安〜南船橋までの京葉線の複々線化を本気で考えないと、パンクしてしまうリスクが高まります。

道路交通も同じで、湾岸線の慢性的渋滞の可能性が出てくるため、第二湾岸計画などを本気で検討しなければならないようにも思います。

さらに新浦安地区のホテルの稼働が高まり、地域内の飲食インフラ不足も顕著になるでしょう。

この辺りの根本的な解決権限を持つのは最後は行政しかありません。

単年度予算ゆえに、民間企業とは違って将来キャッシフローをあてにした先行投資を行うことは難しいことも多いと思いますが、クレジットの高さを活用した市債の発行などで想定される課題に対する対応策をオリエンタルランド社との連携で実現頂けたらと思います。

 

ネガティブインパクトはなんらかの方法で必ず解決する方法はあるはずです。そうなれば世界に一つだけの第三のパークの存在は、浦安市をさらに世界的なブランドに押し上げて頂ける存在になると思います。

「東京ディズニー」ではなく「浦安市にある東京ディズニー」と言ってもらえるような地域活性化施策を今から準備しておくことは、浦安市の安定的成長戦略の柱となるものと思います。