飛行機内で提供されるコーヒー。これをちょっとした工夫で美味しくする方法があります。




コーヒーは一日一杯は飲む人はかなり多いと思います。子供の時はあんなに苦かったのに、今はこんなに日常の不可欠品になっているのが不思議です。

ここでは飛行機の機内でコーヒーをお客さまにご提供するシーンについて考えてみます。

機内でお客さまに10倍おいしくコーヒーをお出しするにはどうしたらよいか?

もちろん飛行機の機内サービスに限らず、ホテルのカフェやレストランでも本質的には同じかと思いますが、今回は飛行機を例にとりました。

商品の価値、魅力は、突き詰めていくと こちら で記載した「感情価値」という概念にたどり着きます。感情価値をいかにして高めるのか、それがお客さまの満足度を最大化することにつながります。

まず、コーヒーそのもの(=機能価値)に手を加えるのはお金がかかります。そのままで大丈夫です。

いつもの手順でいつも通り作ります。もちろんカップについた雫を吹くことや温度管理といった基本品質が担保する前提です。

しかし、感情価値を向上させるには、接客側の心持ち一つで大きな変化を生むことが可能です。

今の機内サービスのコーヒーの例でいえば、お客さまにコーヒーをお出しするときに、その時のシチュエーション、お客さまの状況に応じた一言を添えてコーヒーをお出す、というひと手間を行うだけで劇的な変化を生みます。

例えば、お仕事をしているお客さまであれば、

「お仕事のお疲れが取れるように、コーヒーをお持ちしました」

お目覚めのお客さまには

「気分爽快になるためのお目覚め用コーヒーをお持ちしました」

といった感じのプラスアルファの一言を添えるだけです。

文章で読むと「なんだ、そんなことか」と思われるかもしれませんが、実際にTPOに合わせて実践してみたところ、お客さまの満足度は劇的に向上しました。

自分が飛行機に乗っても大抵が

「コーヒーでございます。お砂糖、ミルクはいかがいたしますか?」

というマニュアル通りの受け答えがほとんどです。したがって、上記のような接客を受けたときは、小さな感動が生まれるのではないでしょうか。

その場では小さな感動であるが、その積み重ねは大きな差別化要因となる感情価値となる。

これが人が介在することでできる感情価値の提供です。

顧客満足を考える上では、常に「機能価値」に加えて、この「感情価値」をどのようにして高めるのかを考える必要があります。

この考え方は、缶コーヒーにおいても成功事例があります。



「朝専用コーヒー」の登場

アサヒ飲料は、1997年に「ワンダ」ブランドを立ち上げ「ワンダフルブレンド」や「カフェオレプレミアムテイスト」などを発売していました。

缶コーヒー市場はその後拡大することなく、横ばいの状況が続いており、市場の成熟化に加え、1999年にはキリンビバレッジが「ファイア」を、2000年にはJTが「ルーツ」ブランドを発売するなど、ワンダブランドを取り巻く環境は厳しさを増していきました。

当時のトップブランドは日本コカ・コーラの「ジョージア」、2位はサントリー食品インターナショナルの「ボス」、ワンダは5位のポジションに甘んじていました。

缶コーヒー市場は清涼飲料市場の約2割を占める大きなマーケット。メーカーとしても、シェアアップをしていきたい大切なカテゴリーであり、次の一手が必要でした。

缶コーヒーをテーマに議論をしていくと「リラックス」や「休憩時」などの言葉が出てくる一方で、「目を覚ます」や「始業前の気合い入れ」などの朝の時間に関連したキーワードが浮かんできました。

そして、缶コーヒー市場を調べると、午前中に缶コーヒーを飲用するボリュームが全体の約4割以上を占めることが分かりました。市場を見渡すと、朝という時間に着目した商品はありません。そして、コンセプトは業界初となる「朝専用」の缶コーヒーに決まったのです。

実際私たちがコンビニに行って缶コーヒーを選んでいるとき、もしそれが朝であれば、この「朝専用」コーヒーが選ばれる可能性は高まるでしょう。

このように単なるコーヒーではなく、「朝専用」という感情価値を付加することで売り上げを伸ばしたのがこの事例です。

感情価値の提供の仕方はさまざまなやり方がある。顧客が望む感情価値の本質を考えることが、マーケティングのミッションの1つといえます。

浦安の都市の価値にも感情価値を

浦安の魅力を対外的に発信していく上でも、この感情価値への訴求が大切だと考えます。

例えば

・美味しいアサリがある

・海がある

・ディズニーがあるという

機能の羅列ではなく、そこに感情価値を乗せてプロモーションをしていくと良いと考えています。例えば、

・浦安でしか食べられない浦安アサリ焼き

・都心からたった20分の奇跡のオーシャンリゾート浦安

・世界に1つだけの海をテーマにしたディズニーがある浦安

みたいな感じでしょうか。

以前浦安市が1.2億円をかけて作ったプロモーションビデオがありました。

なんだかやりっ放しで、PDCAも回していないように見えます。

浦安新市長には、ぜひその辺りの責任の所在の明確化と、新たな浦安プロモーションにぜひ取り掛かって頂けたらと願っています。

公約である三番瀬の開放といった施策と連携すれば、浦安市は大きく成長する可能性があるのではないでしょうか。