金融の緩みによる過剰投資の現状

金融緩和によりマイナス金利がはじまりだいぶ時間がたっている。米国の金利は昨年数回の利上げが行われたが、日本は引き続き現状維持である。

地銀を中心に預かり預金は増えても有力な運用先がないため、悲鳴をあげている状態である。金融は当たり前であるがリスクとリターンの相関が全てであり、それなりの利回りをあげるためには、それなりのリスクをとっていく必要がある。

PEファンドのような20%超のハイイールドのオルタナ投資への需要は増してきてはいるが、そうは言ってもなかなか巨額な投資には至らず、あくまで貸付による金利収入を志向していることは変わらない。




そんな中で銀行が力を入れだしているのが個人の不動産関連への融資だ。まず一番手堅いのが住宅ローンである。35年に渡り、個人の信用をひとつの銀行でロックオンすることができる。そして万一の時も団体生命保険で貸し倒れることも原則ない。

住宅ローンは豊かな社会の実現のためにとても需要な機能であり、これからも銀行の大きな社会的付加価値だと思う。

しかし、人口が縮小し、晩婚化が進む中で新規に需要を購入する基礎需要は当然拡大はしない。したがって住宅ローンマーケットは銀行にとってレッドオーシャンになってしまっている。

住信SBIは与信は固めの評価だが、10年間固定金利で0.45%と言ったローンを提供しており、明らかに銀行にとっては儲からないマーケットになりつつある。

そんな中で、少しだけお金を持っている個人に100%融資を行い、賃貸アパートへの投資を支援する動きがある。新築着工件数は伸びているが、実態としてはこの賃貸アパートが増えている。

規模は違えどサブプライムとの類似性

サブプライムローンはクレジットの低い消費者に対して、債権をスライスして記事的に高めのクレジットを与えることでより巨額な貸付を行うことを可能とするものであった。しかし、実態は何も変わらないため、いつしかそのカラクリが悲鳴をあげ、債権が一気に焦げ付いた。結果、リーマンブラザーズが破綻するにまで被害が拡大をしてしまった。世界は100年に一度という大不況に陥った。

現在の日本でのアパート投資は、クレジットの低い人ではなく、多少クレジットの高めの人に対する融資である。その点ではサブプライムとは根本的に違うが貸している金額が違う。現在の金融市場では、買値の100%ローンが出ているケースも少なくない。

年収が1000万あっても、ローンを億単位で積んでしまうと、焼け石に水である。そしてローンの返済は税効果も取れない。賃料が入れば税金は上がっていくばかりである。

しっかりと投資不動産が収益を生んでくれれば問題ないのだが、不動産運営をやったことのない人や金融無知な人、キャッシュフローを自分で作れない人までが、こぞってローンを借りてアパート建設を進めている。

酷い業者もいて、キャッシュフローは赤字になのにあたかも儲かる投資のような形でマンションの共同保有のための匿名組合出資を募集しているような会社もあった。余談だがそんな業者がJALのメールリストでマイルをあげるからとアンケートを促してきたことには驚いた。JALはレピュテーションのリスクをちゃんと考えているのだろうかと、心配になった。

話を戻すと、過剰なアパート投資の現状は地方では特に問題が具現化している。新築のアパートが一気に乱立し、それまでそこで地道にアパート賃貸をやっていた人も大幅に賃料を下げたり、それでも借主が見つからない状態が発生しだしている。

投資目的の人以外に、節税対策で自身の遊休地にアパートをたてて、相続評価額を下げる人が出てきていることも輪をかけている。まさに過剰供給の状態だ。

節税目的の投資金はStupid Moneyとも巷で言われるようだが、利回りを無視して資金を突っ込んでくる。そうなるとマーケットが壊れてしまい、誰も幸せにはならない。全員が倒れ、銀行も不良債権の塊となり、日本経済がおかしくなる。

銀行がお金を貸すことに対して批判する論調もあるが、私はそれは違うと思う。お金を貸す金融機能がなくなれば、それこそ日本経済は破綻する。

このアパート投資の融資問題の本質は、税制の問題だと考えている。キャッシュで持っているより、その方がお得だからアパート投資に消費者が群がる訳なので、イコールフッティングになるように制度を設計することが何より必要なことではないだろうか。

タワマンのバブルがそろそろ終わるのはまさにこの税制の改革による。高層階では相応の課税をかけることで、節税にはならなくなる。

高校の先輩の衆議院の代議士ともこの点は最近議論したがあるが、まさに待った無しの状況との認識である。

浦安の状況

浦安は上記のような事態は発生していない。節税目的の投資や、中国マネーもほとんど入っていない。

そして、何より開発する土地が数少ないため、供給過剰にもならないし、住宅取引の需要は実需である。

市の歳入歳出の観点で財政豊かな浦安と言われるが、こうした側面でも浦安は優れた経済性を有した街であると考えている。