競争戦略という言葉はおそらく企画部のような組織がある規模の企業なら、必ず毎日のように叫ばれているキーワードだと思います。競争戦略の意味と浦安市にとっての都市間競争戦略について考えてみました。



競争戦略という言葉の定義については多様な捉え方があろうかと思います。そしてそれは多様であっても良いと思います。

しかしながら、少なくとも競争戦略とは今後の中期計画の数字や目的値、もしくは業界何位になる、といったゴール設定そのものだけの話ではないと思います。それを達成するための方法や作戦も含めて、競争戦略と位置づけられるべきです。

以前の記事に、まさにこの競争戦略とは何か?についての論説がありました。

「戦略とは何だろう。私見ではその会社ならではの「価値ある独自性」の追求である。横並びから脱却し、他では提供できない価値を顧客に届けることだ。それが収益力の源泉にもなり、社会貢献にもなる。こうしたユニークさを実現する手立ては、技術であったり、効率的なサプライチェーンであったり、時間をかけて育んだブランド力であったり、いろいろな道筋がある。だが最終的な目的地は独自性の確立であり、その実現に向けた青写真を描き、旗を振るのが経営の役目にほかならない。」

企業内組織として新規事業を考えたり、自分で事業を起こすことを検討した経験においては、この「独自性」という言葉が常に課題になります。

これだけのスピードで情報が世界を駆け回る現代においては、他者がやっていない独自のビジネスなんて存在しません。これは面白いのでは?!とひらめいたアイデアがあっても、調べるとすでに先行者がいます。

新規に物事を立ち上げるというのは本当に難しいものです。自ら若くして起業した人達は本当に立派だなと感じます。




たどりついた結論は、人がやっていないことはもうこの世にほとんどないですが、人がやっていることを、ITや優秀な人材を駆使して、人よりスマートに、効率的に、格好良くやる、これが独自のビジネスを行うことに類するのではないか、という結論です。その事例として以下をご紹介します。

「ベビー用品大手のピジョン。同社の売上高は1千億円に満たないが、営業利益率は15%を超え、日本のメーカーとしては例外的な高収益体質を構築した。何が原動力になったのか。山下茂社長は「生後18カ月までの赤ちゃんに的を絞ったことだ」という。この年齢の赤ちゃんの哺乳に関わる事項は世界共通であり、「いい哺乳器」を開発できれば、国籍を問わず通用する」

「ミスミは、金型部品や計測機器、軍手まで工場で必要なモノなら何でもそろい、寸法違いまで含めると取扱品目は何と800垓(がい、1垓は1兆の1億倍)点にのぼるという。これだけ多数の品目を注文に応じて素早く届けるサプライチェーンを整えることで、簡単にマネのできない競争優位を築きあげた。」

哺乳瓶は世界中に溢れかえっている中で、ターゲットマーケティングにより、強烈な強みを特定のセグメントの顧客に対して持つことで、差別化を図り、それが競争力の源泉となった事例といえます。

また、製造ラインとロジスティックを強化することで他者との差別化を図った事例が後者です。

そういった事例を1つ1つ考えていくと、やはり競争戦略を考える上でも、マーケティングの考え方はとても大切で、場合によっては一番大切な概念にもなります。

市場を分析し、顧客ターゲットを定め、プロダクトミックスを定めていくこと、それが優位性のある競争戦略の実現に繋がります。



浦安市の競争戦略について

我が街浦安についても、市内の有形、無形の資産を含めて、凄まじい未来へのポテンシャルを持っています。

いま浦安市がすべきことは、浦安市の都市としての魅力や希少性、逆に他都市と比べての劣位部分について適切、的確に分析し、今までにはない競争戦略の策定を行うことかと思います。

しっかりと戦略を立てた上での都市開発を行うことで、10年後の浦安は大変貌を遂げるかどうかが決まりますし、浦安の資産価値も大変貌を遂げるでしょう。

浦安ファン.comとしては、まずは注目すべきは「都心から20分足らずのオーシャンリゾート」という日本に他にはない浦安市のみが持つ強みをさらに伸ばすための戦略設計をすべきと考えています。

それは海辺のリゾート化、例えば総合公園へのPFI活用による商業サービスの展開、境川河口の船便設置、そして三番瀬をワイキキにも負けないオーシャンリゾートにするというアイデアを、内田新市長の公約の実行プランとしてぜひ推進頂けないものかと考えています。

浦安市の成長戦略は観光活性化であるべきと考えています。

これらがもし本当に 実現すれば、浦安はディズニーのみならず、マイアミのようにオーシャンリゾートとしても世界有数のリゾートシティとなり、数多くの観光客がお金を落としていくさらに豊かな街になることでしょう。