2018年12月の浦安市議会で、宝 あらた市議から議案発議案件として、以下の案件が発議されました。

発議第11号: 北方領土の早期返還への取り組み強化を求める意見書の提出について

当日の様子は こちらのリンク から動画が見れます。

内容はというと、端的に言えば、我が国固有の領土である北方領土を返還して欲しいという意見を国に対してあらためて要望するという、議員提案になります。

北方領土についての日本の公式見解は以下の通りです。以下の歴史的経緯により、北方領土は日本固有の領土であると考えることが自然です。(以下、内閣府HPより)

北方領土問題とは

1945年(昭和20年)、日本が、ポツダム宣言を受諾し降伏する意図を明らかにしたあとになって、ソ連は、一度も外国の領土になったことのない我が国の固有の領土である北方四島に侵攻しました。その後、ソ連は一方的にソ連領に「編入」し、全ての日本人を強制退去させました。ソ連が崩壊してロシアとなった現在も、ロシアは北方四島を法的根拠なく占拠し続けています。

8月15日が終戦の日であることはみなさんご存知だと思いますが、ソ連が千島列島の占守島に侵攻してきたのはなんと8月18日の出来事であることはあまり知られていないかもしれません。

「北方領土」とはどの島々のことか?

北方領土は、北海道本島の北東洋上に連なる歯舞(はぼまい)群島、色丹(しこたん)島、国後(くなしり)島、択捉(えとろふ)島の島々です。

 

何故、「北方領土は日本固有の領土である」といえるのか?

江戸幕府の時代、1799年から1800年にかけて北方領土のほか、千島、樺太を含む蝦夷地を直轄地として日本人が開拓しました。

1855年には日本とロシアとの間で平和的・友好的な形で日魯通好条約が調印され、その条約は、それまでに自然に成立していた択捉島とウルップ島との間の国境を、そのまま確認しました。
 
 
樺太千島交換条約:1875年(明治8年)、我が国は「千島列島」(シュムシュ島からウルップ島までの18の島々)をロシアから譲り受けるかわりに、ロシアに対して樺太全島を放棄することを決定しました。この結果、千島列島全島が日本の領土になりました。
 
✳︎これが我が国が千島列島には北方四島は含まれない、とする歴史的根拠です。
 
 
日露戦争の結果、1905年(明治38年)、ポーツマス条約により、樺太の北緯50度より南の部分が日本の領土となりました。
 
 
1945年8月9日、ソ連は、当時まだ有効であった日ソ中立条約に違反して対日参戦しました。
 
日ソ中立条約は、一年前までに破棄の通知が必要で、占守島に侵攻してきた時は明確に条約違反となっています。
 
そして、ソ連はそのまま北方領土まで進軍してくることになります。
 
第二次世界大戦直後、日本がポツダム宣言を受諾した後の9月5日までの間に、ソ連は北方四島のすべてを占領しました。
 
当時、四島にはソ連側は一人もおらず、日本人は四島全体で約1万7千人が住んでいましたが、ソ連は1946年に四島を一方的に自国領に「編入」し、1948年までにすべての日本人を強制退去させました。
 
サンフランシスコ平和条約(1951年)で、日本は南樺太と、千島列島を放棄することを約束しましたが、この条約にいう「千島列島」には北方領土は含まれていません。(✳︎ 上記記載の通り、歴史的にソ連と確認した定義であるが故)
 
従って、北方領土は引き続き我が国固有の領土であるということになります。
 
また、ソ連はこの条約には署名せず、条約の当事国となっていません。

(以上、内閣府HPより。)

日本人1人1人の課題意識の喚起がなによりも大切な時代

戦争をはじめとした暴力的行為では決してなく、歴史的事実認識に基づいた、理論的考察による平和的解決を追求しなければなりません。その為にもこうした事実認識は大変重要になります。

国家間交渉の最も難しい領土問題に対しては、地方自治側では、当然なんの権限も持ち合わせておりません。

自民党・与党はすでに北方領土返還に向けてあらゆる交渉をおこなっており、実務における政治的な意味・効果は無いものと考えられます。

しかしながら、次の世代の子供達に良い形で日本という国を残し、日本人として誇ることのできる日本を未来に繋いでいくためには、国民一人ひとりの問題意識を高め、ブレない筋の通った論理を日本全体として半永久的に持ち続ける必要があります。

そのために、こうした地方自治の場においても、あらためて日本の主権に関する議論や事実確認が行われることは、素晴らしいことではないかと思います。

中学受験の為の最も人気の高い進学塾においても、北方領土等の日本の主権にかかわる問題については、正しい歴史的背景や、北方領土の各島(群)の位置、形まで小学生に学習させています。

さらに排他的経済水域・領海等との兼ね合いから、それら諸島の主権の保持が、日本のエネルギー政策や海洋資源の確保、さらには国土防衛の観点からどれほど重要な意味があるかについて、繰り返し教育をしています。

こういった教育は本来、義務教育の中でしっかり行われても良いはずですが、現状は十分とは言えません。この点については、改めて議論が行われても良いのではないかと感じます。

驚きの一部反対票!?

今回の宝議員からの発議は賛成多数で可決されましたが、驚くことに一部反対票がありました。

民主主義国家であり、思想の自由は保証されている日本ですから、多様な意見があっても良いと思います。

しかしながら、なぜ日本人として、どのような論理とインセンティブで反対をされたのかについては、興味深いところです。

来年はいよいよ市議選、県議選の活動が始まります。市内のことのみならず、素晴らしい日本を後世に残す、という視点からも地方自治を見てみるのも良いかもしれません。

我が国 日本がなければ、浦安の発展も、存在すら危ぶまれてしまいます。